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メモリアルヒットの広場

 

ここはキリのいい番号を取った方のメモリアルを保管する場所です。
私の作品で、
言葉を話せるキャラなら誰でも呼んでいただければ御挨拶を申し上げたいと思います。

作品キャラによるメモリアルレスというこのアイデアの発案者
「うなぎのねどこ」の篠崎 節さんから了承をいただきました
どうもありがとうございます。

勝手にリクエストランキング!!へGO!

5000番までのメモリアルはこちら〜

10000番からのメモリアルはこちら〜

9999
(00/08/02)
(00/10/14)

ケブッチ
怪盗フェイク(「怪盗フェイクの大冒険」より)

 夜。それこそまさにベタを塗ったような(笑)夜。
 ……訂正。窓から見える街は常に人工の光に溢れていてそんな闇なんか見えやしない。
 座っていたPCの前から離れ、窓の前に立つ。
 ……お?
 気のせいかもしれないが、一瞬街の灯りが何箇所か消えたように見えた。やっぱり気のせいか?
 そういやあ、今日はやけにパトカーが走っているような…… サイレンまでは鳴らしていないが、赤いパトランプがあちこちで回っている。
 何かあったんだろうか?
「そりゃきっと……」
 いきなり背後から声。この部屋、どころか家自体に自分一人しかいない。TVとか可能性も考えられたが、真後ろから声が聞こえてくるような凝ったスピーカーはつけてない。冷静に考えなくても、他の人がいる、ということだ。
「俺のせいだろうな。」
 声だけでもニヤリと笑った顔が浮かぶようだ。振り返るとマントに目のあたりを覆うバイザーをつけた長身の男が立っていた。
「悪いな、ちょっと邪魔させてもらうよ。」
 といいつつ、すでに腰を下ろしている。しかし油断なく外に注意を払っている。と、「彼」がこちらを向いた。
「……なぁ、重ね重ね悪いが、なんか喰うもん無いか?」
 怪盗とはいえ、やっぱり腹が減るものらしい……

 ズズズズズ……
 夜の室内にカップラーメンをすする音が鳴り響く。なんか自分もおなかが減ってきたので(深夜まで起きているとよくあること)、一緒に食べることになってしまった。そういやあ、追われているんじゃないか、この人。
「ふぅ。」
 汁まで飲み干し、満ち足りた表情の怪盗フェイク。
「いやな、ホントはもっと早く帰る予定だったんだが、思った以上にしつこくてな……」
 と眼下の街に目を向ける。今でも赤いパトランプがあちこちで光っている。
「ん……?」
 いきなり何かを気付いたように彼が立ち上がった。入り口のほうに鋭い視線(たぶん)を投げかかる。
「あ、」
 顔を向けたのと、その一言につられて家の玄関の方に目が行ってしまう。でも特に変化は無いようだ。
 何があったのか聞こうと思って振り返ったら、窓が大きく開いていてカーテンがバタバタと風になびいていた。

 ……その直後、目撃者がいたらしく、家に都市警察(シティポリス)がやってきた。なんとか説明して帰ってもらってから、部屋にカードが一枚落ちているのに気付いた。それには……

「怪盗フェイク参上。
 今回は4桁ラストのメモリアル、おめでとう。」

9696
(00/07/25)
(00/09/18)

そーいちろー
ラシェルジェラード(「銀河連合警察A級捜査官チーム・グリフォン」より)

「なんでアンタはいっつもいっつも、外で騒ぎを起こすのよ!」
「いっつもとは心外ですねぇ。それに元は私が悪いわけでは無いし……」
「いや、それはそうなんだけど…… じゃなくてぇ、どーして毎度毎度派手にやるか、ってこと。ジェルならもう少し平和に収められるでしょうが。」
「……だって面白くないし(ぼそ)」
「あんたねぇ……」
「あ、あそこに見えるのはそーいちろーさん!」
 近くを歩いていた愉快な会話をしていたカップルの片方の白衣を着た男がいきなりこちらを指さす。
「話を誤魔化そうったって…… って、あ、ホントにそーいちろーだ。
 お〜い、やっほ〜♪」
 男に対して悪態をついていたポニーテールの少女がとびっきりの笑顔でブンブンと手を振っている。
 そして程なく、二人が目の前にやってきた。
「いやいや…… お恥ずかしいところを見せたようで……」
「そーそー、聞いてよそーいちろー。ジェルったらさぁ……」
 ……なんでも、喫茶店でチンピラが水をちょっとこぼしたウェイトレスに因縁を付けて絡んでたそうだ。
 それで目の前の少女――ラシェルが、白衣の男――ジェラードに「懲らしめて」的なことを言ったらしい。そしたら、いきなり捜査官証明書を突きつけて相手を挑発した上で、一方的にボッコボコにしたそうだ。
 まあ、そこで面倒に巻き込まれるのも嫌だ、ということで飲むものも置いといてさっさと喫茶店を後にしたのだが、そのチンピラが兄貴分を連れてきたりしたようだ。面倒くさがったジェラードが上空に待機していた戦闘ヘリのホーネットを呼んで、これまたボッコボコに。
 ……十分派手だな。
 ここまでしておきながら相手を一人も殺さずに、しかも周囲に何も被害らしい被害を与えてないらしい。器用を通り越して不気味だ。
「そんなわけで、これからそのチンピラどもを壊滅させに行くところです。」
 サラリと物騒なことを言う。
「ちょ、ちょっとジェル!」
 少女は驚いている。そりゃそうか。
「……おや? 言ってませんでしたっけ? って言うのは初めてでしたね。」
「なに爽やかに言ってんのよ〜〜」
 白衣の襟を掴んでガックンガックン揺さぶる。
「だいたい、街に出る度にあのチンピラどもに絡まれるなんで面倒くさいことこの上ないです。だからさっさと潰しておくに限ります。」
「だ〜か〜ら〜 そーゆーことにあたしを巻き込まないでちょうだい!」
 そうは言ってみるが、いつものことなのか半分諦めたような表情をしている。
「ま、何事も経験、ということで。
 じゃ、そういうことで、我々はこの辺で……」
 嘆く少女を連れて歩き出す。と、不意に振り返った。
「そうそう、9696のメモリアルでしたね。おめでとうございます。」
「……え? そうなの? おめでとう、そーいちろー♪」
 満面の笑みを浮かべて少女が手を振る。見えなくなるまで手を振っているようだ。
 その姿が街の雑踏に消えていく。

 なんか…… 嵐のような二人だったな……

9200
(00/07/08)
(00/09/17)

Kan
怪盗フェイク(「怪盗フェイクの大冒険」より)

 深夜の訪問者。
 その言葉だけで十分に怪しいものだ。
 しかもそれが家人の承諾を得たものでなければなおさらである。

 カタン。
 深夜にふとそんな音が聞こえた。ベランダの方だろうか?
 連日の凶悪事件のことが思い出され、恐る恐るカーテンの隙間から覗き込む。
 ……誰かいる!
 ベランダの隅で…… ちょっと待て、ここ何階だ?
 そんなにヒョイヒョイ来られるような高さではないのだが……
 月を隠していた雲が、道を譲る。その「訪問者」の姿があらわになった。
 !
 最初、赤い服を着ているのかと思った。でもそれは左腕だけだった。
 左肩を押さえている。もう止まったのだろうが、大量の出血の跡が見て取れる。青白い月の光の中でも、その色は鮮やかな赤を放っていた。
 顔の半分を隠すバイザーとマント。その男が不意に顔をあげた。
「よぉ、」
 月の光のせいかと思ったけど、よく見ると顔色も良くない。……そりゃそうだ。あれだけの出血だ。
「悪い…… ちょっと休ませてくれ……」
 フラリ、とその体が傾いた。そのままバタリと倒れる。
 えぇと…… どうやら彼は気を失ったらしい。しかたない……

「……ん? ここは……」
 目が覚めると知らない天井が見えて「彼」が当惑したように呟く。
 体を起こしかけて、肩の痛みに顔をしかめるが、そのまま体を起こす。
 上半身裸で血も拭いてあって、傷口にも包帯が巻かれているのを見て、こちらに顔を向ける。
「なんか…… 世話になったようだな。」
 ベッドのそばに置いてあったミネラルウォーターを口に含む。
「俺の服は?」
 言われて、マントのバイザー、そして血に汚れたので洗った服を差し出す。
 ただ、上着の方はまだ半乾きというか、湿っている。
「まぁ…… しょうがないか。」
 しかたなくマントを羽織ってバイザーをつける。濡れた服を小脇にかかえて、窓に向かう。
「ホントに悪いな。邪魔しちゃって。」
 ベランダの柵に足をかけて跳ぼうとして、ふとこっちを振り返る。
「おっと、それと俺の正体については黙っててくれよ。そうだ、コレをやろう。」
 おそらくバイザーの下でウィンク。指先がひらめくと一枚のカードが飛んできた。
 フェイクのサイン入りのカード。そしてふと顔を上げると……

 もう彼の姿は夜の闇へと溶け込んでいた。

8888
(00/06/25)
(00/08/26)

図書委員長
カイザードラゴン(「夢の勇者ナイトブレイカー」より)

 どうも外が騒がしい。駐車場の方だろうか?
 だとしたら事故でもあったのかな?
 気になって見に行ったら……
 巨大な赤いジェット機(?)が停まっていた。
 まあ、ここの駐車場は広いから、このジェット機だけで埋まってしまうようなことは無いけど…… いや、そういう問題でもないか。
 運転手…… というか、持ち主はいるんだろうが…… どうやって探したらいいものやら。
 まだ運転席(?)にいるかもしれないので声をかけてみたら……
 いきなりそのジェット機がフワリと浮いて、空中で姿を変える。瞬く間に巨大な真紅の竜型ロボットになっていた。
 えぇと…… さすがにこういう閲覧者は初めてかな……?
 さすがにちょっと混乱しているかもしれない。
 そしてその鋼のドラゴンが頭を下げて、口を近づけてくる。
その大きな口を開いて……
〈一つ物を尋ねますが、わたくしのような者が本を借りるにはいかがしたらよろしいものでしょうか?〉
 こちらをガブリと…… こない?
 え? 本を借りたい?
 そりゃあ、あの大きさでは中に入れないだろうなぁ。入ったら建物が潰れそうだし。
〈実はある方の帰りを待っているのですが…… いささか退屈になりまして。こちらから見ていると、なかなか蔵書も豊富の様子。
 よろしければ幾つか拝見したいのですが……〉
 巨体に似合わない(いや、どういう風なのが似合うのか聞かれても困るが)丁寧な物腰にこちらもなんかつられてしまう。
 コホン…… まあいい。で、ご所望の本は?

〈…………〉
 目の前で鋼の竜が本を読んでいる。どうやって読むのか分からないが、出来るだけ大きな──それこそハードカバーの本を選んで持ってきたのだが、その巨大な手の上に本を置くと器用に鋼の爪でページをめくっている。
 頭を下げ、あまり周囲の邪魔にならないように──その努力はあまり報われていないが──背中(?)を丸めて読書している姿はなんともこっけいだった。あの鼻先にちょこんとメガネを乗せたらコミカルで笑えるだろう。
 ……なんてくだらないことを考えていたら、何かが聞こえたかのように顔をあげる。読んでいた本にしおりを挟むと、パタンと閉じる。
〈申し訳ありません。わたくし呼ばれたようですので、そろそろお暇させていただきます。読みかけですので、また借りに伺います。〉
 そうペコリと頭を下げると、数歩下がった。と、その鋼の足が大地を蹴る。
〈それでは…… チェンジ! カイザージェット!〉
 轟音を響かせるとジェット機に変形した鋼の竜が空の彼方へと飛んでいく。
 一陣の風が吹いた。
 ……まあ、こういう日もあるか。

8787
(00/06/20)
(00/08/24)

小次郎
アイリーナ=コーシャルダン(「銀河連合警察A級捜査官チーム・グリフォン」より)

「小次郎さん、いらっしゃいませ。」
 コトリ、と芳香の立ち上るティカップを置く。
「申し訳ありません。博士も他の皆さんも今いないので……」
 ん? ということは彼女と二人きり……?
「あ、そういえば、博士からの伝言です。『余計なことを考えない方が長生きできる』……とのことでしたが。」
 彼女がある程度丁寧な物言いに変えているのだろう。もし本人の口から聞いたら…… うん、考えるはよそう。
「ええと……」
 ティカップを置き、こちらと差し向かいに座った少女だが、何か落ち着かない様子で視線を宙に彷徨わせている。
「あ、そういえば、昨日焼いたクッキーが……」
 と言っては立ち上がり、
「すみません、洗濯物がありまして……」
 と言っては立ち上がり。ロクに話もできない。
 とりあえずクッキーを食べているが…… 美味しいけど、彼女の様子がなんかおかしい。
「ええと、ええと……」
 そして三度目に腰を浮かせようとして、困ったような表情をするとストンと腰を下ろす。
「申し訳ありません。あまり誰かと二人きりでお話する機会がありませんので、何を話したらいいものか……」
 ああ、なるほど。さっきから何を話したらいいか分からずにウロウロしていたわけね。
 だからとりあえずこちらから彼女のことを聞くことにした。
 最近ハマっていること、好きな本の種類、最近あった面白いこととか、ホントに取り留めの無い話をした。
 とにかく読書家らしい。蔵書がたくさんあるせいもあるのだろうが、とにかく空いた時間は本を読んでいるそうだ。
 本を読む気分じゃないときはヴァイオリンやピアノの練習……
 まるで深窓のお嬢様のような生活だ。
 気づくとカップの中の紅茶が冷めていた。それをいれなおそうとするのを丁寧に断って、帰る旨を伝える。
「もうお帰りですか? ……あの、すみません、あまりお話相手になれませんで……」
 心底すまなそうにする少女に軽く微笑むと外に出ようとする。
 その背中に声がかけられた。

「あの…… 小次郎さん、メモリアルおめでとうございます。
 よろしかったらまたお越しください。来ていただいたら…… 私も嬉しいです。」

8600
(00/06/14)
(00/07/28)

図書委員長
田島 謙治(「夢の勇者ナイトブレイカー」より)

「ええと……」
 おお、危ない。
 一人の少年が脚立に登って、片手に沢山の本を持ちながら、高いところにある本に手を伸ばす。
 今求めている本が少し離れたところにあるのか、フラフラと遠くに身体を伸ばしている。一度脚立から降りればいいのだろうが、なんとなく面倒くさいのだろう。
 はしっ! と本を掴んだはいいが、そこでバランスを崩したらしく、脚立に乗せた片足と本を掴んだ片手で何とか身体を支えているようだ。片手も本で埋まっていて二進も三進もいかないようだ。
 ……うん。
 横から手を伸ばし、片手を封じている本を取り、同時に浮いた足を掴む。
「あ……」
 彼が振り返った。眼鏡の向こうの目が驚いたようにこちらを見ている。
「どうもすみません、すぐに……」
 よいしょ、と空いた片手で体勢を立て直す。足を掴んでいた手を離し、ふと彼から受け取った本に目を落とす。
「人工知能の考え方」「エネルギー集積技術」「強度と構造」「兵器のテクノロジー」……
 ふ〜む、なんか共通点があるのやらないのやら……
「いや、助かりました。」
 と彼が手にしているのは「重力制御の可能性」という本だった。

「ここは蔵書が豊富でありがたいです。」
 と、早速借りた本をパラパラ流し読みしている。気になったページを持ってきたノートに書き写す。
 しかし、その手の本を一体何に……? なんかきな臭い内容のような気もするが、目の前の彼からは悪意のようなものは感じられない。真面目に、しかも真剣に調べているようだ。
「え? ああ、これですか……」
 ちょっと悩んだような顔を見せるが、今読んでいた本をパタンと閉じ、こちらを真っ直ぐ見つめてくる。
「アニメに出てくるような巨大ロボットを作るにはまずそれが直立しても平気な材料が必要です。更にはその重量を動かす為の動力、それにその動力を働かせるためにエネルギー。
 これでやっと動くことができますが、戦うことを考えますと装甲や武装にも今の技術では不可能が多すぎます。」
 そこまで言うと、ふと自分の左手首のあたりに目を落とす。
「仮にそれを全てクリアできるような『夢』のような技術があったとしたら……
 それこそ世界を我が物にすることも可能です。もし、あなたならどうしますか?」
 さぁ…… 難しいなぁ……
「ま、仮の話ですがね。」
 仮の、なんて言っているけど、次の言葉があまりにも真剣だったのから…… 例え信じられないような話でも、妙に真実味を帯びていた。彼は何かと戦っているのだろうか……?

「ただ僕は世界征服なんかに興味ありません。もっと…… 大切な物がありますから。」

8282
(00/06/03)
(00/07/26)

メイ
神楽崎 麗華(「夢の勇者ナイトブレイカー」より)

「あら、いらっしゃい。」
 こちらに一瞬だけ視線を向けてすぐに読んでいた本に目を戻す。
 と、パタンと本を閉じると何も言わずに立ち上がる。
「ごめんさない、今誰もしないの。ちょっと座って待っててもらえる?」
 読んでいた本――何かの詩集か何かのようだが――を置くと、奥に消えてゆく。
 少しして彼女の入っていった方からかぐわしい珈琲の香りが流れてくる。
 すぐのその香りの元を二つ、トレーに載せて彼女が戻ってきた。
 それこそ隙一つない給仕の仕方に思わず見とれてしまう。
「珈琲には少々自信があるのよ……」
 とシュガースプーンをシュガーポットとカップの間を一度往復して、もう一度使おうとして手を止める。やっぱり砂糖をもう一杯入れようとして、途中で思い直す。
 ……ちょっと可愛いところがあるかも、って言ったら怒るだろうか?
 思わず笑みを浮かべそうになるのを誤魔化すために、さっきまで読んでいた本に目を落とす。……英語の本だった。
 ええと……
 なーさりー?
「Nursery Rhymes(ナーサリーライムズ)、よ。
 よく知られている名前なら、マザーグースと呼ばれてるわね。これはイギリス版だからナーサリーライムズになってるけど。」
 そういえばこの人は英語がペラペラでしたねぇ。
 と、不意に彼女が何かを思い付いたような表情をした。
「What are little girls made of?」
 いきなり彼女の唇から流暢な英語が流れる。理解できなくて首を傾げると、もう一度同じ一文を口にする。
「What are little girls made of?――そうね、『女の子は何で出来てるの?』って訳せばいいかしら?」
 急にそんなこと聞かれても…… って顔したのが分かったのかクスリと笑みを浮かべると、その笑みの形を保ったまま言葉を続ける。
「マザーグースの中の一説で、確か続きはこう……

 Suger and spice(砂糖にスパイス)
 And all that's nice,(素敵な何か)
 That's what little girls are made of.(そんなこんなでできてるわ)

 ちょっと、このフレーズが気に入っててね。この『素敵な何か』って何だろう? って考えていると結構楽しいのよね。」
 と言葉通りに楽しそうに言う。そのとき、玄関の方から物音がした。慌ただしい足音とともに彼女のことを「ちゃん」付けで呼ぶ声も聞こえる。
「……帰ってきたわね。」
 立ち上がって出迎えるつもりなのだろう。途中で思い出したようにこちらを振り返る。
「そうそう忘れるところだったわ。
 メイさん、メモリアルおめでとうございます。」

8000
(00/05/24)
(00/07/24)

新堂姫瑠
美咲麗華謙治隼人(「夢の勇者ナイトブレイカー」より)

姫瑠さんとおっしゃいましたね。この度はメモリアルおめでとうございます。
 作者の方が遅らせてばかりで申し訳ありません。できることならば見捨てないで下さいね。

あはは……(苦笑) あ、すみません。
 そんなわけで新堂さん、メモリアルおめでとうございます。
 ……え〜と?

あら?
確か…… 今回は僕たち四人が呼ばれたんですよねぇ。
そうよ。あのラブラブコンビはどこ行ったの?
「ねぇ〜 隼人く〜ん、行かないのぉ〜?」
俺は行かねぇ。きっとまた何か言われるに違いない。
「そんなぁ〜」
いるわね……
でも楽屋(?)裏ですねぇ。橘さん連れてきてくれるのでしょうか……
「どーしても行かないの?」
ああ。
「ボクがこんなに頼んでも?」
あ、ああ……(ちょっと気弱に)
あら、美咲も結構ねばるわね。
そうですね。でも力ずくで、ってわけにも……
 ボグッ(←何かの打撲音)
た、橘……(消え消えの声)
「ほら、行くよ隼人くん。(ズルズル)」
……たまにあの子が格闘家ってこと忘れちゃうのよねぇ。
というか、実際に見ないと誰も信じないと思いますが……
もしかして隼人も忘れていたんじゃないのかしら?
そうかも……
「はぁ〜い♪ 隼人くん連れてきたよ〜♪」
残念ね美咲。
「ふぇ?」
もうスペースが無いわ。
「えぇ〜〜!」

(お、俺は殴られ損か……?)

7900
(00/05/20)
(00/06/19)

エスタディア
怪盗フェイク(「怪盗フェイクの大冒険」より)

 コツ、コツ、コツ……
 背後の暗闇からずっと誰かがついてきている。
 前々から暗いと言われ続けている街灯だけでは追跡者の姿を見ることはできない。
 この辺は住宅街で、夜になると人影が全くなくなる。
『痴漢に注意!』
 なんて看板も立っているが、これで犯罪が防げるのなら苦労はしない。
 どうせ立てるなら変形して戦ってくれたらいいのに……
 あ、あそこの街灯壊れてる…… ただでも暗いのに、いい具合に影ができている。しかもあつらえたかのように路地まであったりする。狙うとしたらここかな?
 コツコツコツ……
 予想通り(当たって欲しくはなかったが)、後ろからの足音が速度を増してきた。聞こえ方からするとすぐ後ろに……
「おっと、そこのお嬢さん。」
 と、いきなり頭上の方から声が聞こえてきた。
 見上げると屋根の上に一人の男が立っているのが見えた。煌々と照る満月をバックにしているためシルエットしか見えない。
 横から風が吹いているのか、マントのようなものを身に付けているのが分かった。
「月夜にナイトのご入用はございませんか?」
 見えないのだが、口元にニヒルな笑みが浮かんだように感じられる。
「そう、例えば……」
 ふわり、と彼が宙に舞った。いや、飛び降りただけなのだが、まさに翼を持っているかのような跳躍だった。音もなく目の前に着地する。
「姫君に近づく不埒な輩を成敗するとかね。」
 ひざまづいてこちらの手の甲に口づけ。
 そんな気障な動作が実に板についている。呆然としている間に、彼はマントをひるがえして姿を消した。
 遠くから別の男の悲鳴のような声が聞こえてきたが、すぐに静かになる。当然ついてきた足音もだ。
「かの者は向こうに縛り付けて参りました。ご安心召され。」
 いつの間にかに戻ってきた「彼」が優雅に一礼する。
 と、バイザーで顔の半分が隠されていたが、その表情が一変する。
「と、いうわけだエスタディア。ちょっとメモリアルの挨拶に来たらこれだ。
 たまたま通りかかったから良かったものの…… 夜道には気をつけるんだな。

 ……ま、せっかくだから、」
 ふわり。いきなり浮遊感にとらわれる。
 彼――怪盗フェイクの腕の中でいるのだ。
「夜の散歩としゃれ込みましょう。」

7676
(00/05/14)
(00/12/03)

ジェラード=ミルビット(「銀河連合警察A級捜査官チーム・グリフォン」より)

「くそっ! くそぉっ!」
 少年が闇の中を、影の中を走っていた。大人でも生き残るのが難しいD層。血なまぐさい事件は空気並の出来事だ。そんな中を逞しく生きる少年。
 しかし彼は今追われていた。相棒のカノンの「女のカン」をもってしても捌ききれなかった敵。どうにか二手に分かれたのだが、彼の手には反撃の手段が失われていた。持っている武器は弾の切れたパチンコだけ。後ろから追ってくる戦闘用アンドロイドには牽制にもならない。
「そこの少年。」
 進行方向にこのD層にはそぐわない男が立っていた。白衣を着て眼鏡をかけたドクター風の男。無論、そんなのに構っている暇は……
「ああ、これこれ……」
「ぐえ。」
 襟首を掴まれる。それまでの運動エネルギーが喉に集中して息が詰まる。
「なにすんだよ、おっさん!
 ……って、それどころじゃない!」
 また走りだそうとするが襟首を掴まれてるので、それも出来ない。
「ちょっと人を捜しているのですが……」
「人の話を聞けぇ!!」
 そんなことをしている内に足音が近づいてくる。ヘタに走ってこないところが逆に不気味だ。
「実は…… Dr.Yという人を……」
 その名前を聞いた瞬間、少年――Mの顔にウンザリしたものが浮かぶ。が、その言葉を遮って、走ってきた方に指を向ける。
「おっさん、アレを見ろ、アレを!」
「……おや?」
 まったく、忙しいのに…… とその白衣の男は、足音の方に近づいていく。
「お、おい!!」
 唐突な行動にMも逃げるのを忘れ、思わず白衣男の後を追う。
「ふむ…… 特にぶっ壊しても問題は無さそうですね。」
 すでに高速振動剣を発動させたアンドロイドが戦闘態勢をとっていた。
「……まあ色んな都合もありますので、こうしますか。
 はぃ、バリアブレード!」
 白衣男は一瞬、白衣の裾を跳ね上げると、腕を横に振った。まだ間合いは離れていたはずなのに、ピタリ、とアンドロイドの動きが止まる。腕が肘の下から落下し、上半身がズルリと鋭利な刃物で斬られたように落ちた。
「は……?」
「というわけで、少年、」
 その言葉を聞く前に、Mはその博士の手に持っている物――おそらくは今アンドロイドを斬り伏せた武器を持って走り出した。
(これさえあれば…… これさえあれば……)
 と、その疾走はすぐに止められる。
「ぐえ。」
 もう一度襟首を掴まれる。
「お腹が減ったんですか? ならそういってくれれば……」
 気付くと、手に握っているのはバナナだ。
 しかも、白衣男の逆の手には自分が持っていたはずのパチンコが握られている。
(なんだこのおっさん……)
 嫌な汗が背中を流れる。強いとか、そういうのではなく、ただただ不気味なのだ。
「ま、冗談はともかく、」
 不意に白衣男が真剣な目をする。
「ここで出会った偶然に感謝して、あなたにこれを差し上げましょう。……どのみち、私のスタンブレードはあなたには使えませんし……」
 と、ポケットに取り出したのは、不思議な光沢を放つ…… やっぱりパチンコ。
 おいこら、とMが言い出す前に彼は静かに語り出す。
「これは…… そうですね、『サイコスリンガー』とでもしましょうか。
 普通のパチンコとしても使えますが…… 精神力を弾丸として発射することが出来ます。
 その時の気持ちの持ちようで威力が自由自在に変わるのですが…… 欠点が二つ。
 一つは使う度に精神力を消耗すること。もう一つは…… 感情に、それこそ怒りにまかせて使ってしまうとどれだけの破壊力になるか……
 どう使うかは…… あなた次第です。」
 軽いはずの「それ」がズシリと重く感じられる。
「精神パターンはあなたのものにロックされました。それこそ、あなたがよほど心を許している相手以外、使える者はあなただけです。
 さ、行きなさい。あなたの信じる『正義』の為に。」
 その言葉を背にMは走り出した。
(あいつなら、あそこにいるはず……!)
 少年は走る。自分の信じる物の為に、信じる者の為に……

「あ、いかん。Dr.Yの居場所聞くの忘れちゃったよ…… いやはや。」

7500
(00/05/08)
(00/06/18)

毬谷 敦子
田島謙治(「夢の勇者ナイトブレイカー」より)

「あ、いらっしゃい。」
 某研究所の地下で「彼」はいつものようにコンピュータに向かっていた。
 おや? 今日はそれだけじゃないようだ。
 コンピュータからたくさんのコードが出ていて、それが何かしらの手帳サイズの機械につながっている。
「……これですか? 実は……」
 と、ポケットから同じようなものを取り出す。横のボタンを押すとパカッと開く。
 ……そう、まるでまるでダイ○クターや某警察手帳のようだ。それの中央には黄色のクリスタルがはまっている……?
 あれってもしかして……?
「あ、分かりましたか?」
 それを確認するために彼の左手首を見ると、いつもつけているはずのブレスレットがない。ということはやっぱり……?
「ええ、お察しの通りです。
 ……まあ、どのみち僕にはこういうブレスレットは似合いませんし。」
 と、クリスタル――ドリームティアを抜いたブレスレットを取り出す。
「元々必要な機能は、研究所からデータを受信しドリームティアに送ることです。それさえ満たせば形状はあまり関係ないんですよね。」
 そしてさっきの手帳サイズの機械を見せる。
「これがブレスレットの機能に色々付け加えた…… これがロードコマンダーです。
 で、こちらに置いてあるのがそれのプロトタイプなんですが……
 使い道がありませんで。」
 と苦笑する。
「やはりドリームティアを介さないと通信距離が短いんですよ。まあ、それ以外の機能はロードコマンダーと全く同じなんですが……
 そうだ、よろしければこちらの…… プロトコマンダー、いかがですか?」
 はい?
「確かに通信距離は短いですが、ブレイカーマシンやロードチーム、まだ戻ってきておりませんが、カイザー相手でしたら数キロくらいまでならシグナルを送ることが出来ます。」
 と、ニッコリ微笑む。
「まあ、メモリアルのお祝い、ということで。
 それに毬谷さんなら僕たちのことがバレる心配もないですしね。
 ……で、これがプロトコマンダーのマニュアルです。旧型なので、ちょっと操作が簡略化されてませんが……」

 というわけで、プロトコマンダーとA4で30枚ほどの「マニュアル」をもらってきた。
 ……いつになったら使えるようになるんだろう。

7474
(00/05/07)
(00/07/13)

tasi
ジェラード=ミルビット(「銀河連合警察A級捜査官チーム・グリフォン」より)

「いやいや、私をリクエストとはお目が高い。」
 開口一番、目の前の白衣男はそう切り出した。
 ここはGUP(銀河連合警察)本部のカフェテリア。中は職員でごった返している。見ただけで荒事が得意そうな連中や、いかにも自らの技術に自信と誇りを持っているメカニックやドクター。
 ……そう考えると目の前のこの男はどうもつかみどころがない。
 ホントに凄腕なんだろうか? といっても、宇宙最強との噂高いチーム・グリフォンのメカニック兼ドクター。そして高速戦艦シルバーグリフォンの設計者。若干25歳にして数十の博士号を持つ。
 それこそ公式データでも十二分に驚かされる能力だが、隠された実力の一割もあらわしていないのだろう。
「おや、どうかしましたか?」
 ……目の前で幸せそうにチョコレートパフェを食べているのを見ると、どうも信じられない。
「このようにメモリアルに呼ばれると仕事がサボれていいんですよ。」
 とんでもないことを言う。
「最近はあっちこっちの仕事を手伝わされて大変なんですよ。いやはや……」
 ホントに大変なのか、その表情から見ることができない。
 どうもつかみどころがない……
「あ、そうそう、メモリアルの挨拶を……」
 言いかけたところをアナウンスが遮った。
『ミルビット博士、ミルビット博士、至急第三検死室にお越し下さい。』
 ……お?
「あぁあぁ、気にしないで下さい。いつものことです。
 本部は広いですからねぇ。それに外に逃げている可能性もあるので見つけるのは大変でしょう。」
 と、気楽にパフェをパクついている。
 なんて言っていると、もう一度アナウンスが鳴った。さっきとは違う声だ。
『あの、博士。皆さんお待ちになってます。
 やっぱり仕事はちゃんとなさった方がよろしいかと……』
 ガコン!
 向かいでその「博士」が思いっきり頭をテーブルに叩きつけていた。
「あいつら…… リーナを使うとは……」
 諦めたように肩を落とすと、ポケットに手を突っ込んで背を丸めて立ち上がる。
「リーナに言われちゃあ行くしかないか……
 ああ、すみませんねぇ、ちょっと失礼させてもらいますよ。」
 やれやれ、と頭を振りながら白衣姿が去っていく。

 あ、伝票……

7300
(00/05/01)
(00/06/11)

あぼがど
小鳥遊 一樹(「夢の勇者ナイトブレイカー」より)

「お邪魔しますよ。」
 その眼鏡をかけた男はおとなしめの雰囲気を漂わせながら店に入ってきた。
 年の頃は若者と称するには辛いが、「おじさん」と呼ぶのは失礼な頃合いだった。
 彼は棚の商品――どうやらロボット物のプラモ他にご執心のようだ。
「ふ〜む…… これは興味深い……」
 ……どうやら一般のモデラーとは雰囲気が違うようだが。
 興味深げに見ていた物から箱を慎重に選びつつ、二つ三つと重ねていく。そして買いすぎたのか、名残惜しそうに棚に戻していく。
「こんなものでしょうか……」
 独り言の多い性格のようだ。そろそろこっちに来るかな……?
 どさ。
 箱をカウンターに置き、財布を取り出す。
 え〜とこれは……
 ……アオ○マの合体ロボットシリーズにア○メージ? しかもこれは秘密○器シリーズ!
 うちの在庫にこんなものがあったのか……
 単価自体はそんなに高くないが、なにせ数がある。
 体をひねって財布を取り出した男がこちらを見た。
 ……おや?
「おや?」
 見覚えがある。
「おやおや、これはあぼがど君ではありませんか。あなたの活躍はあちこちで拝見してますよ。」
 どういう活躍かは敢えて聞かないでおこう(汗)
 そんな苦笑いじみた物を勘違いしたのか、ちょっと慌てたように言い訳じみた口調になる。
「あ、いや、これはちょっとしたサンプルというか……

 そこまで言って、不意に声を低くする。
「ここだけの話なんですけどね、実は今、ロボットの研究をしているんですよ。」
 あたりにキョロキョロと視線を走らせる。
「色々と必要なんです……」
 大変そうな口調とは裏腹に表情は楽しそうだ。
 会計が済み、大量の箱を外に停めてあった小さな車に詰め込んでいく。……もしかしてちょっとした奇跡を見たのかもしれない。
「そんなわけで失礼しますよ。
 あ、そうそう、あぼがど君。この度はメモリアルおめでとうございます。」
 そう言い残して、彼は物理的空間を無視した量の荷物を積んだ車で去っていった。
 でも秘○武器シリーズは役に立たないと思うが……

6700
(00/04/12)

たろう
「静かなる大岩亭」主人(「FREEZE!」より)

 ザインの街にあるその酒場は知る人だけが知る穴場だ。
 ともすれば無愛想と勘違いされるマスターは極端に無口なだけだ。注文を受けてもうんともすんとも言わない。慣れない客は返事が来るまで何度も注文を繰り返す。
 業を煮やした常連が止めるまでそれは続く。この「静かなる大岩亭」ではよく見られる光景だ。このマスターが口を開くのは一年に一度とも言われ、その声は渋いとも外見に反して甲高いとも噂されている。
 ……そうなると仕入れはどうやっているんだろう? それが常連たちの密かな疑問だったりする。

 前に訪れたのはいつか思い出せないが、相も変わらず潰れそうな外見は同じだった。扉に手をかける。開けるのに微妙な力加減が必要なのは全然変わってない。
 というか…… 全く同じ感触で開く。軋む音も……
 まあいいや。扉をくぐり中に入る。
 ……中の空気も全く同じだ。懐かしい。
 空いていたカウンターのはじに腰掛ける。マスターはチラリとこちらに視線を向けたかと思うと、すぐに背中を見せる。
 棚の奥にあった
 氷がグラスに落ち、軽やかな音を立てる。栓を切られた酒瓶が鮮やかと表現すべき芳香を漂わせる。長い歴史を琥珀色を封じ込めた液体がグラスに静かに注がれる。氷が溶けてカランと澄んだ音が騒がしいはずの店内に響いた。
 確かこれは……
 数年前に、最後に来たときに持ち込んだやつだ。次に来たときに飲もう、って約束していた酒だ。
 憶えていてくれてたのか……
 そんなこちらの視線に気付いたのか、マスターが小さくうなずく。
 そっか…… 言うまでもなかったか。
 ここのマスターはいつもこんな感じだ。
 知らないフリして全てを憶えている。だからいつ来ても着慣れている服のようにシックリくる。不意にマスターが手元のグラスをとりあげ目の高さにあげた。
「おめでとう。」

 ……マスターの声は見かけ通りの低く渋い声だった。

6543
(00/04/07)
(00/05/09)

あぼがど
神楽崎麗華田島謙治(「夢の勇者ナイトブレイカー」より)

「いやぁ〜 あぼがどさん。今回はリクエストありがとうございます。」
「……なんか嬉しそうね、謙治。」
「え、ええ、まぁ……」
「私は不満よ。」
「は?」
「あんたはいいわ。趣味も一緒みたいだし、気に入られているようだから。
 でも謙治の『素敵なパートナー』っていうのは何?!」
「はぁ……」
「(これでこいつのことが嫌いだったら話は単純なんだけど……)」
「? 神楽崎さん、何か言いました?」
「……何でもないわ。ま、いいわ。言わせておきましょ。」
「でも…… 航空機支援というのは戦車にとっては必要ですよ。」
「知らないわよ、そんなこと。」
「まあ、そうですけどね。」
「そういやあ、前から気になってたんだけど…… 謙治って結構夜遅くまで研究所にいることあるけど、家の人心配してないの?」
「うちは…… 学校の成績さえ良ければそんなにうるさく言われないです。最近はさすがにちょっと言われ始めてきましたが……
 そういう神楽崎さんはどうなんですか? 橘さんや大神君のように一人暮らしってわけでもないでしょうし。」
「うちは……(ちょっと口ごもる)」
「あ、いえ、その…… 言いにくいことでしたら……」
「違うのよ。ちょっと、その…… 複雑かな、と思っただけ。
 私もある意味、一人暮らしに近いようなものだから。」
「…………」
「なんかくだらないお喋りをしたら喉が乾いてきたわ。

「はぁ……」
「気がきかないわねぇ…… こういうときはせっかくのチャンスとばかりにお茶の一つにでも誘うものよ。」
「えぇ! あの、その……(しどろもどろ)」
「(ため息)謙治にそんな洒落たことを期待するだけ無駄だったわね。
 いいわ、さっさと挨拶を済ませて、喫茶店にでも行きましょ。当然、授業料も兼ねて謙治のおごりでいいわね?」
「は、はい……!
 え〜と、それではあぼがどさん、この度はメモリアルおめでとうございます。」
「なんでもこの秀才君がお気に入りのようですけど、情けないからって見捨てないでくださいね。それでは!」

6363
(00/03/30)
(00/05/09)

Kenken
ラシェルファイヤーロック(「銀河連合警察A級捜査官チーム・グリフォン」より)

〈発進準備オッケー!〉
「よ〜し、ファイヤーロック、テイクオフ!」
〈りょ〜かい!〉
 そんな陽気なかけ声とともに、深紅の戦闘機が重力の鎖から解き放たれた。
 宇宙戦闘機であると同時に大気圏内ではVTOL機でもあるので、離陸はほぼ一瞬で終わる。脚が離れるとエンジン出力を一気に増大させるが、内蔵の慣性緩衝システムが機内のGを常人でも耐えられるレベルに減少させる。
 まるで赤い矢のように雲を貫くと、雲海の上にたどり着く。
「本日は当グリフォン航空をご利用いただきありがとうございます。
 パイロットはファイヤーロック。客室乗務員はラシェル=ピュティアが務めさせていただきま〜す。」
〈でも複座だからKenkenはラシェルのポニーテールしか見えないんじゃない?〉
「あ、でも、」
 前席と後席を仕切るガラス越しに揺れるポニーテールが振り返った。
「別にあたしが操縦しているわけじゃないんだし。」
 と、ニッコリ笑みを浮かべる。
〈しっかしKenkenも贅沢よねぇ〜 可愛い女の子を二人も空の上で独占してるのよ。
 これが贅沢と言わずに何と言うべきぃ?〉
「そうねぇ。今日の飛行は誰にも言ってないし、通信も全部切っているからグリフォンでもホーネットでも探すのはホネだよねぇ〜♪」
〈う〜ん、でも博士ならどんな裏技使ってくるか分からないわよ〜〉
「そうよねぇ。下手したら地球規模でサーチかけるかも知れないし……」
 ……やりかねない。
〈最高速度ならサンダーの方が上だから、高空では不利よねぇ……〉
「でも下手に高度を下げても、なんかジェルの罠が待っていそうだし……」
 いつの間にかに「あの男」から逃げる算段になっている……
「ねぇ、大気圏突破して宇宙に逃げる、っていうのは?」
〈宇宙空間ならグリフォンの独壇場よ。Gキャンセラーの能力を考えると慣れてない人間を乗せたままじゃあ……〉
「う〜ん。困ったわねぇ……」
 あのー……
「あ、ゴメンゴメン。忘れていたわけじゃないんだけど……」
 少し遠い目をして握った拳をふるふる振るわせる。
敵は強大なのよ!
 知るかぁ!!!!

 ……その後、6分27秒後に発見され、14分06秒の追いかけっこの後、シルバーグリフォンに収容されたりする。

6100
(00/03/22)
(00/05/07)

やま
リーナヒューイ(「銀河連合警察A級捜査官チーム・グリフォン」より)

「やまさん、この度はメモリアルをとられておめでとうございます。
 ……あれ? ヒューイさん、どうなされたんですか?」
「ん……? ああ、いや。
 なんかな、まあ、リーナちゃんやラシェルはしょうがないとしても、なんでカイルや、はたまたジェラードのが先にリクエストされるんだ?
 だいたいあいつなんか何回登場してる?!」
「(ちょっと考えて)博士は全部で3回ですね。単独で呼ばれたのが1回に、あとは他の方の時に……」
「(遮って)いや、そういう意味じゃなくて……」
「え?」
「……まあ、いいや。
「???」
「いや、ホントに気にしなくていいから。(と頭をなでる)」
「あっ……(ポッ)」
「あれ? もしかしてこうされるの嫌?」
「あの…… その…… 
そんなことないです……
「ん〜 そうか。じゃあもう少しこうしててやろう。(なでなで……)」
「なんか…… 恥ずかしいです……」
「気にするな気にするな。(なでりなでり)」
「…………(*^_^*)」
「(お、もう少しで……)」
??? 「そこまでだ!」
???2「そこまでにしておきなさい!」
「はい?」
「(ハッと気付いて)あの声は……?」
??? 「いきなりで悪いがスタンブレード!!」
???2「同じくいきなりスタンブレード!!」
 ズシャァ!×2 バタッ。
「あの…… はか……」
??? 「ストップ! 私たちの正体は秘密だ!」
???2「そう! あたし達はか弱い女の子を悪の毒牙から守る者!」
??? 「そんなわけで、さらばだ!」
???2「あ、そうだリーナちゃん、晩御飯一人追加お願いね〜」
「は、はい……」
「う、ううっ……(痺れている)」
「ヒューイさん、大丈夫ですか?!」
「全然大丈夫じゃない……」

5600
(00/03/05)
(00/07/06)

図書委員長
小鳥遊 一樹(「夢の勇者ナイトブレイカー」より)

 今日、気になる本を見つけた。
 心理学のコーナーにあった本で夢に関する本だった。
 人間の心理的な超常現象――つまり夢枕とか、デジャヴュとか、それこそ正夢のようなものを無意識的な警告・他人との記憶の共有・限定的な未来予知ととらえ、それを人間――いや、精神活動を行うもの全ての共有無意識層というものを想定して説明できるというものだ。
 科学的証明はできないが、この共有無意識層が存在すると説明している。
 ただ、この世界――と本では明記している――は安易に人が触れてはいけない部分なので、これ以上の研究をすべきかどうがと消極的な意見も書いてある。
 フィクションとしても面白いが、ノンフィクションとしても興味深い。
「おや、これは恥ずかしい。」
 背後からの声に振り返ると、白衣姿の男が立っていた。
 あ、この人は……
 ふと思い出して、著者の欄を見る。
『小鳥遊 一樹』
 あれ? ということは……
「いやぁ〜 自分の書いた本を目の前で読まれるというのも気恥ずかしいものです。」
 とは言いつつも顔はにこやかに笑っている。
「ま、よろしかったら、ですが……
 本の内容に興味がありましたら少しお話しませんか?」
 そういえばここの隣には喫茶室があったはず……
「私も一応は学者なので、知っていることは自慢したがるタチなんですよ。」
 なんてことを言う。まあ、急ぎの用もないし、例の「共有無意識層」というのにも興味がある。件の喫茶室でコーヒーを前に話をする。
「……まあ、つまるところこの『共有無意識層』というのは『夢の世界』なわけですよ。
 ですが学会に発表できるわけでもなく、更にいえば見せられるような証拠もない。
 残念ながら机上の空論、単なるお伽噺に過ぎないのですが……」
 ちょっとここで表情が変わった。不意に真剣な目つきになる。
「でも『夢の世界』は実在します。私には直接行くことができないし、実際に目で見たわけでもない。それでも存在します。
 そして……」
 と、これまた不意に言葉を切った。
 表情が和らぎ、ちょっと困ったような笑みを浮かべた。
「ははは…… なんか怪しい人みたいですねぇ。あぁ〜 いやいや、今のは無かったことにして下さい。でもですね……」
 語尾が小さくなって聞き取り辛かったが、確かに彼はこう言っていた。

「あの世界――夢幻界には夢を護る騎士達がいるんですよ……」

5500
(00/03/02)
(00/05/07)

藤ヶ崎ゆう
バロン美咲カイザードラゴン(「夢の勇者ナイトブレイカー」より)

「ほぉ、こいつもなかなかでかいな。」
「でしょ〜♪」
〈美咲様…… 確かこの者は敵ではなかったのですか……?〉
「ううん、バロンくんはボクの友達だよ。」
「おいおい……」
〈左様でございましたか。〉
「お前も簡単に信じるな。」
〈いえ、美咲様は戯れに嘘をつくような方ではございませんので……〉
「(横目で見て)まあ、そうだろうけど……」
「うわぁ〜 風が気持ちいいね、バロンくん」
「(しかも他人の話聞いてないし……)」
「ん? どうしたの、バロンくん?」
〈ああ、どうやらこの者は麗しいレディと一緒なので緊張しておるのですよ。〉
「え? そうなの?」
「……ま、そんなところかもな。」
「い、いやだなぁ、バロンくん。そんなこと言われてもボク困っちゃうよぉ……(照)」
〈ほほぉ、このようなところは隼人様と違いますな。〉
「そこでどうしてハヤトの名前が出てくる。まったく……
 ……ん? 雲行きがおかしくなってきたか……?」
「(気付いて)あ、ホントだ。雨の匂いがする……」
〈確かに低気圧が近づいている模様ですな。〉
 ポツ、ポツ……
「あ、降ってきた……」
「じゃあ中に…… というわけにはいかないか。」
〈申し訳ございません。構造上コクピットは一人しか……〉
「まあ、ルナティックグリフォンにはコクピットすらないからな。
 ……よし、ミサキ。これでも着てろ。(と、自分のマントを外して肩からかける)」
「でもバロンくん、濡れちゃうよ。」
「なに、これぐらい大したことない。」
〈紳士、でございますな。〉
「……どうかな?」

「……ねぇ、何か忘れてない?」
「そういえば…… 何かあった気がしたな。」
〈わたくしめも思い出せません。〉
「何だっけ……?」
 う〜ん……

 メモリアルの挨拶だ(笑)

5454
(00/02/29)
(00/05/07)

小次郎
大神 隼人(「夢の勇者ナイトブレイカー」より)

「ふぅ。」
 なにか満ち足りた(笑)表情の男が向かいのベンチに腰掛けた。
 おや、アイツは……
「ん……? よお、小次郎じゃねえか。」
 こちらに気付いて軽く手をあげる。そしてこっちに来て隣に腰掛ける。
「聞いたぞ。なんでもこの前、うちの管理人に会ったそうじゃないか?
 どうだった? 予想通りの奴だったか?」
 なんか妙に機嫌がいい。何かあったんだろうか?
「雰囲気が小鳥遊のおっさんに似てたろ? おっさんも意外と性格が狸だが、管理人はもっと狸だからな…… ったく、油断も隙も見せられねぇ。まあ、あれだけ……
 ん? あ、いや、なんでもねぇ……」
 急に慌てたように言葉を切る。
 ん……? 何かを隠しているのか?
 おや、そういえば服のあちこちに何か変な汚れが……
 こちらの視線に気付いたのか、自分の服を見下ろしてちょっと渋い顔をする。
「ああ…… これか……?
 ちょっと返り…… いやいや、え〜と、その…… あ、ほら、あれだ。そこでちょっと車にドロかけられてなぁ……」
 数日前からずっと快晴で、ドロをはねるような水たまりなんかないんだが……
「まあ、その、あまり気にするな。
 ……お、そういやあ、メモリアルだったな。
 しかも1000年に一度の閏年の日にゲットしたんだからな。たまには俺も愛想良くメモリアルの挨拶でもしてみるか。」
 コホン、と咳払いをするとあらたまった口調でしゃべりだす。
「メモリアルヒットおめでとう、だ。」
 それだけですか?
「おっと、わりいな。俺はそろそろ行くな。」
 言うだけ言って、さっさと彼はいなくなってしまった。
 なんか忌々しそうに持っていた紙袋と、彼の怪しい態度になんか秘密があったんだろうか……

5400
(00/02/27)
(00/05/03))

黒い夜の猫
神楽崎 麗華大神 隼人(「夢の勇者ナイトブレイカー」より)

「黒い夜の猫さん、この度はメモリアルヒットおめでとうございます。僭越ながら私がお祝いの言葉を述べさせてもらいます。
 それと同時にお返事が遅れて申し訳ありませんわ。」
「だ、そうだ。良かったな。」
「……ちょっと隼人。それはないんじゃないの?
 まあ、いいわ。人それぞれに得意不得意はあるし。」
「そうだな。だから他にも言っとけ。俺みたいな奴を呼ばなくても、もっと挨拶の上手な奴はいっぱいいる。」
「そうね。」
「……なんか気になる言い方だな。」
「あら? 気付いた?」
「(やりづらい奴だな……)」
「大丈夫よ、私は美咲と違って計算して喋っているから。」
「(俺の考えを読んだのか?)」
「ん? 違うわよ、なんとなく。」
「おい。」
「あ、ちなみに言っておくけど、わずかに口が動いていたわよ。」
「…………」
「そうそう、最近『美咲と隼人がラブラブだ』って噂が多いのよね。」
「おい!」
「本編の方じゃまだそこまでいってないようだけど、メモリアルやあちこちの番外編で結構いい雰囲気出してたわよね……」
「くっ……(汗)」
「そういえばクリスマスの時は何をしたのかしら?」
「……わ、悪い、別のメモリアルにも呼ばれていたんだ。
 ええと…… その、じゃあな(すたたたた……)」
「逃げたわね…… 後は任せたわよ、謙治(悪魔の笑み)」

5151
(00/02/18)
(00/05/03)

藤ヶ崎ゆう
大神 隼人田島 謙治(「夢の勇者ナイトブレイカー」より)

「そういうわけで、藤ヶ崎さん。このたびはメモリアルおめでとうございます。」
「ふぅ(汗をぬぐうしぐさ)。酷い目に遭った……」
「おや、大神君。(なんか爽やかな笑み)」
「(なんか嫌な予感……)」
「(ニコニコニコニコ……)」
「お、そうだ。藤ヶ崎に祝いの言葉をやらんとな。」
「それは済ませておきました。」
「もう用はないな。じゃあ、俺はこの辺で……」
「写真(ぼそ)」
「何だって?」
「ああ、いえいえ。何でもないです。
 ただ最近デジカメも小さいのが増えてきたなぁ、という個人的感想ですよ。」
「……言いたいことがあったらハッキリ言った方が長生きできると思うぞ(ちょっと殺気)」
「星空の下(ぼそ)」
「……っ?!(驚)」
「作者の人の協力を得られたので、僕達も見ていない写真が手に入ったんですよ(悪魔の笑み2)」
「あの野郎……(怒)」
「ちなみにこれが深夜の海で泳いでいた写真。これが遊園地での写真ですね。いや〜 なんか微笑ましい。」
「…………(滝のような汗)」
「でもやっぱり、この星空の下の……」
「俺が悪かった。それだけは勘弁してくれ。」
「で、結局、橘さんとはどうなんですか?」
「…………(いい加減、心底怒りがこみ上げていたらしい)」
「…………(なんか嫌な予感)」
「さすがに神楽崎は殴れないからな……(悪魔の笑み3)」
「え、その……(滝汗)」
 何かを撲殺(?)する音。何かが倒れる音。そして一人分の立ち去る音が聞こえる。

 ……ご愁傷様です(笑)

5050
(00/02/14)
(00/04/16))

藤ヶ崎ゆう
大神 隼人(「夢の勇者ナイトブレイカー」より)

 コトッ。
 ぼ〜っとパソコンの前に座っていると、そんな音が聞こえた。
 振り返ると隼人がいつものムッツリ顔で立っていた。音の発生源はデスクに置いたマグカップらしい。彼の手にも同じようなマグカップがある。
「紅茶を入れた。一息入れたらどうだ?」
 ……ふむ。確かにずっと仕事をしていたから疲れているのは間違いない。
 でも言われるまで全然気付かなかった。さすがに連日遅くまで残業していると時間の感覚までおかしくなってきている。
 ちゃんとミルクも入れてある。こっちの好みを知ってくれているとはちょっと嬉しいかも。
 …………
 でも煎れ方はちょっと、いやだいぶ下手(笑)
 ま、しょうがないか。普段、やらないだろうしねぇ……
 そんな彼が煎れてくれた、というのもなんか得した気分。
「あ…… その、なんだ? うまくないか?

 言ってから自分も一つ持っているのに気付いて、マグに口をつける。
 とたんに渋い顔になる。
「その…… 悪かった。いつもは和美か橘がやるからな……
 正直言えば俺、茶なんか煎れたことなくて。」
 すまなそうな顔をする。そんな彼から視線をディスプレイに戻すと、気にした様子もなく、彼の煎れてくれた紅茶を口にする。
「お、おい、藤ヶ崎……?」
 ちょっと驚く彼をしり目にまた仕事に戻る。
 美味しくはなかったが(笑)、なんか元気は出てきたような気がする。
 そんなこちらの態度に気付いたのだろう。手近な椅子を引き寄せると彼は腰を下ろす。
 ……どうやら終わるまで待ってくれるようだ。

 こうして、不味い紅茶を飲みながら夜は更けていった……


5000番までのメモリアルはこちら〜

10000番からのメモリアルはこちら〜