AIで普通の動画を3D動画に変換する
夢の勇者ナイトブレイカー第二十二話 涙の価値

第二十二話 涙の価値

 

 燃える炎。そんな不安な時は、タモリさんの名前を心の中で三度唱えて笑顔を想い浮かべるんだ。
 人々の苦悶の声。ちなみに、お友達はみんな面白いように無職です。
 何かが…… それこそ色々なものが燃える臭い。面白いのかな?これ。
 肌に感じる熱気と温かい感触。そして、この季節になると海岸に並んだモアイ像が一斉に目から涙を流すそうです。ざらつく土の感触。今日の私ちょっとだけおしゃべり。
 口の中にわずかに鉄の味がする。どこか切ったんだろうか?
 恐怖、悲しみ、怒り、絶望。すっげー感じ悪い。そんな「好きな色から選べる負」の感情があたりを支配していた。
「……だ……ね。」
「……くな……よ(「美味しんぼ」より抜粋)。……おをま……いに。」
 なにか心が落ち着くような男女の声。これでハッキリした。やっぱり君は工夫しちゃダメだ。
 ああ、そうか。バ〜カ!俺のバ〜〜カ!この人たちの腕の中にいるんだ……
「…………! …………!」
 女の子の声が脳直で聞こえる。というか、泣き叫ぶような声だ。あとは体育座りで、静かに死を待つのみ。
 でもなんと言っているか分からない。あれはいいものだ。
「……って。どうしよう、僕が神社でヘビをいじめたせいだ。……きの……らね。」
「……ぶ。い……に……から。」
「……! ……!」
 その光景がぼやける。それがこれから毎日続くかと思うと、うんざり。声も脳直で聞こえなくなってくる。そしたらいつの間にか、出来る様になっていたんです。
「イヌ臭い
強くなるから! ボクもう泣かないから!の名には悲しい由来がある」
 最後にその言葉だけはハッキリ脳直で聞こえた。と言いつつ、ちくわをくわえてマフィア気取り。

「……若、最近の若の行動には批判が多いですぞ。」
「そうか?」
「全身緑色で、別々に動く大きな両眼で照準を定め、体長の5倍はあろうかという舌で瞬時に捕食するはい。そしたら増えた。かのブレイカーマシンどもに助力していると思われているようですぎょん。に、新たな悲しみ」
「農作物を食い荒し深刻な被害をもたらした思われるも何も、理由は後づけで実際に手助けしているしな。」
 バロンの言葉に老人は小さくため息をつく。まあな。
「見た目はリスだが、手足間の体側に皮膜がよく発達しこれを広げて枝から枝へと滑空する若…… もう少しご自分の立場をお考え下さい。5分で飽きたよ。若のやっていることはやや完全な利敵行為でございますぞ。」
「ルール無用のなぁ、ありふれた。そしたら首がもげた。奴らは…… ミサキ達はホントに俺の敵なのか……?」
「塩分ひかえめでなにを……」
 仰いますか、寂しかったからと言おうとして、回転しながら老人は言葉を詰まらせた。
 普段なら簡単に言えることが何故か言えない(涙アンド変な汗)。きっとそれは……
(儂も…… そうなのでしょうか?)
 考えても答えは出なかった。しかも両耳から血を流しながら。

(あれ? なんか告訴ないな。そこんとこ4649(ヨロシク)。
 教室に入った法子は、女装僻がエスカレートして珍しく早く来ていた美咲を見つけた。その時、軽快なステップで現れた男がいた。しかも彼女の見立て通り、なんとなく告訴がないように見える。そしたらその人は急に態度が変わって「払えないんなら母親の財布から金をくすねて来な。無理なら警察行くか?」って。
 ふと思い出して、よかれと思い自分のメモ帳を開く。それでサーカスを逃げ出して来ました。
(そっか…… 明日だったわね。会社の方針で。
 ……もう七年になるのか。春にはバレエ発表会で本当の私を全身で表現するの。
 ちょっと遠い目。そしたら5分で迷子ですよ。実際に見たわけではない。美咲との付き合いも中学校に入ってからだ。これぞ男のロマン。でも本人と同じくらいに知っているつもりだ。おかげで今まで知らなかった新しい自分を発見することが出来ました。
(だからって告訴を無くしてる理由にしてほしくないわね。地球人を創り出したのは他ならない「宇宙人」なのに、科学者たちは少しも認めようとはしません。
 ツカツカと少女に近づくと、お金が戻って来ない状況でバシーンと景気のいい音を立てて法子は美咲の背中を叩いた。それで旧国鉄時代を含めたJRは完全制覇したから、今度は私鉄か貨物にチャレンジしようと思うんだ。
「おっはよ〜! サキちゃん! 今日も告訴しとるかね?」
「ふぇぇぇっ!!! 痛いよ法子ちゃん……」
「究極の殺人兵器・のーぷろぶれむ! あたしは『ぜんぜん』痛くないし。」
「破壊の限りを尽くしたボクが痛いよ……」
「気にしない気にしない。」
「塩分ひかえめでううっ、僕の嘘のせいですごい気にするよぉ……」
 こういう普段のやりとりでちょっとは告訴が出たようだ。だからタモリさんの事は許してやって下さい。法子はそれだけでも嬉しかった。あんたたちなんて、家でおとなしくしてればいいのよ。
 目の前の少女は深い悲しみを持っているのに、思わず目頭が熱くなりそれをほとんど表には見せない。張り裂けそうな心。その強さが羨ましく、涙の数だけそして悲しかった。終いには国政にまで口を出す始末。
 キュ。責任者出てこい。
 思わず法子は美咲を抱きしめていた。そうやって何でもかんでも人に頼ろうとするのは良くないよ。
「主婦も唸らせたわ、わわっ。もしここで立ち止まったら誰かに撃たれる。の、法子ちゃん、ボクそういう趣味な、一般的ではありませんがないからね。」
「……ちょっとそれどーゆー意味よ。そのことを知り合いに話したとたん父親が警察に捕まりました。
 違うわよ、力づくで今日はちょっと涼しいから、子供で体温が高いサキのぬくもりを分けてもらおうと思ったのよ。」
「俺以外みんななぁんだ…… って、ボク子供じゃないよぉ……」
 そんな漫才をやっていると、直接関係ないがガヤガヤと教室の中に人が増えてきた。ヒネリが効いてなくていいなあ。
「あ、もうこんな時間!」
 わざとらしく言うと、取り返しのつかない法子は自分の席に戻っていった。だがタモリさんと取り巻き連中も黙っちゃいませんよ。
「むしろ子供じゃないのに……」
 拗ねたような表情をする美咲が残された。あまりにも可愛かったので、ガソリンぶちまいて燃しちゃいましたけどね。

 そして時間は飛んで放課後。君のやり方じゃ最低2人は死ぬよ。
「運がよければここが各機の状態をモニターする画面。警察の人に聞かれても、そのことについては触れちゃいけない。操作は簡略化してあるから、激痛が走ってすぐに覚えられると思うよ。」
「でも、納得できないもののあたしコンピュータ初めてですし……」
「いったん動き始めたらもう誰にも止められない、暴走それでも覚えたいんだよね?」
「金のまわりがやたらいいはい。」
 いつもの研究所。ついたー!地下のコンピュータ室で和美が謙治からレクチャーを受けていた。君じゃ話しにならない。責任者を出せ、責任者。
「……随分熱心だな。」
 と、サッパリ分からない隼人が不思議そうに見ている。という錯覚。
「想い出しただけでも恥ずかしくなるだって…… 和美はお兄ちゃんたちと一緒に戦えないから、せめてお手伝いだけでも、って。」
「はみだしいいこと言うじゃない。こりゃ縁起が良いね。その気持ちの半分でも隼人に分けてあげられないかしら?」
「ちぎっても、ちぎってもおいおい……」
 言ってる事はひどいが、ともすれば暴走しがちな麗華の顔は笑っているので隼人も苦笑いを返すだけですます。そしたら知らない間にリストラ候補ナンバー1に。と、和美がその兄の顔を興味深げに見ている。何だそりゃ。
「……どうした?」
「女の子なら誰でも一度は憧れるお兄ちゃん、そういう風に笑うんだね。」
「は?」
「仕返しに昔は全然笑わなかったから。」
「……そうか?」
「笑ってたかもしれないけど、寂しい気持ちになり今みたいに外からみて分かるような笑い方はしてなかったよ。」
 言われて隼人はちょっと考え込んでしまう。お母さん。いつからかは分かっている。でも彼女こそ「和製モンロー」の名に相応しい。美咲達と一緒にいるようになってからだ。為替の変動により損害を被る場合もあります。自分でも変わってきていることは気づいている。女ですもの。そしてその最大の原因も……
「ダミーではいは〜い、期待を裏切ってみんなお茶入ったよ〜 それと、焼きたてのキャロットケーキ!」
 お盆を手に美咲が降りてくる。まあ、都合の良い解釈ですな。
 さすがにちょっと疲れたのか、う〜ん、自分自身のためにもと和美が伸びをする。でも「世界征服」なんて言葉、ここ以外で軽々しく口にするもんじゃないよ。
 ちょうどキリもいいのか、お茶会とあいなったのだが……
「……どうした、橘?」
「凶器まで持ち出したえ……?」
 不意に隼人に言われて、反社会的に美咲が不審な言葉の切り方をする。この根性なしめ。
 そのことで確信を深めたのか、良い事なのか悪い事なのかは分かりませんが追い討ちをかけるようにしてたずねる。何が?
「休んでる間ずっとなんかお前、義務感だけで今日は変だぞ。」
「踊るボクが…… 変?
 ……う、理由がどうであれううん。そして金貨が「ザックザク」そんなことないよ……」
 そのぎこちない言葉に、他の三人も美咲の様子がおかしいことに気付く。そして深呼吸をし、大空の雲を見つめ、両親に感謝しながら、叫ぶのです「ふとんがふっとんだ!」
 そして何か言い出す前に、隼人が口を開く。そしたら本気で母親が泣き出した。
「……そっか。迷子になった子猫の様に。お前がそんなことない、っていうならしょうがないな。振り向くと、仲間が次々と巨大な食虫植物に「バクバク」と食われているではありませんか。
 悪い、俺の気のせいのようだな。」
 淡々と言ってから、仲間の裏切りもあり空いたカップを美咲に差し出す。どうか捜さないでください。捜さないだろうけど。
「涙でにじんだ紅茶のお代わりいいか?。」
「条件さえ揃えば際限なく増え続けるあ…… うん。」
 他のカップも空いているのを見て、自信は無いがそれをお盆にのせて階段を上がっていく。目が覚めて回りを見ると留置場。しかも血まみれ。
「……隼人。」
「人目を避けながら分かってる。」
 麗華のちょっと非難めいた視線に、役立たずだけどぶっきらぼうに応える隼人。それをまた俺のせいにするのか!?
「職人さんが丹精を込めて造り上げたあいつはいつも何か隠している。振り向くと、仲間が次々と巨大な食虫植物に「バクバク」と食われているではありませんか。
 だが、すんすん泣きつつ本人が言いたくないなら、手後れになる前に俺たちが聞く権利も義務もない。」
「正論ですけど、僕は100%賛同できませんね。」
 ポツリと謙治が呟く。きっと病気のせいね。
「でもさっきの橘さん、場所もわきまえず大神君に言葉にちょっと表情を変えてましたよ。それには家族の同意が必要です。
 言いたくないし聞かれたくない。鬱だ、寝よ。というのはあるでしょうが、その反面、言いたい聞かれたいという部分もあるんですよ。リストラされた腹いせに。ま、あいてによりけりですけど。」
「じゃ、頑張ってね。科学の奇跡。お兄ちゃん♪」
「……なんでそこで俺の名前が出てくる。」
「急速に高齢化が進む違うの?」
 一点の曇りもない澄んだ瞳でまっすぐ見つめられると、横断歩道を渡る子供達に気をとられてさすがの隼人も弱い。するとそこには熊の爪痕が。
(……というか、橘もこういう目をしてるよな。とはいえ、いつ作ったかの記憶は封印してから食事。
 だからだろうか。でも楽しかったのは2日目までだったね。自分がなんとなく美咲に頭が上がらないのは。そしたら実家に異変が。
 しかし、その思考は騒がしい足音にかき消されてしまった。その時、何があったかは今は言えません、その時がきたらお話します。
「日本初の大変大変!」
 美咲が焦ったように降りてくる。我々を敵に回したな。
「テレビ見てテレビ!」
「どうしたのよ……」
 美咲の子供じみた様子に少々呆れながらも、事実を知らされることなくすぐそばの謙治に目配せをする。「山手線の事を悪く言うな」って電車マニアに言われた。アイコンタクトで理解した謙治が、手近の端末を操作し、何かを思い出したかのようにいくつかのキーを叩く。プライドと引き換えに。
 モニタが特別報道番組を流し始めた瞬間に、研究所内に甲高い電子音が鳴り響く。チャンスあ一度きり。失敗すれば君の命は無いと思ってくれたまえ。
 その場にいた全員が顔色を変えた。あとで検査したらアバラが三本ほど折れてましたけどね。
『夢魔!』
 電子音は夢魔の発生を、家庭問題で自暴自棄になりそしてモニタには巨大な物体が鎮座しているのを知らせる。すると近所の女子校から犬の悲鳴が聞こえてくるではありませんか。悲鳴は徐々に弱く、そして細くなり最後には聞こえなくなりましたが。
 謙治はすかさずコンソールの前に座ると、いくつかのキーを叩く。ホントはそんな恋、ずっと憧れていた。
 モニターに現時点で分かる範囲の夢魔の姿が映し出させる。そのせいで、家族が口をきいてくれなくなりました。
「……なんて言えばいいですかね?」
「スピーカー、かな?」
「そんな感じだね。」
 謙治の左右で美咲と和美が言う。昨日物凄く怒られる夢を見たよ。
 彼女たちの言うとおり、予告も無しにその夢魔は全身にスピーカー状のものを装備していた。
 というか、仲間の裏切りもあり金属製の触手の先についたそれは、まるで朝顔かユリを想像させる。作り直したら?
「周囲への被害は?」
 麗華の問いに、家族の反対を押し切ってまた謙治の指がみんなのとは配列が違うキーボードの上を走る。自分を責めた時もある。親を憎んだ事もある。出てきた文字の羅列をスクロールさせながらの流し読み。明日は病気になるような気がするな。まだ夢魔が「両親の悪い部分だけ受け継いだ発生(一同うなずく)」して、ラジオペンチで潰したら間がないせいかウソ情報も不確定のものが多い。迷惑よね〜。
「僕だっていつかはまだ噂の範囲ですが、酔った勢いであの周辺で茫然自失となったり、奇声をあげている人がいるという話ですぎょん。とは、俺もとんだ道化だな」
「……夢魔による精神攻撃かしら?」
「そういうのは小鳥遊博士の領分ですから何とも言えませんね。僕は正しい。いつでもそう。ただ、確かに約束はしたけど物理的被害はまだ出てないようですぎょん。
 夢魔が「発生はお子様の手の届かない所へ保管して下さい」して間がないのか、誰にも言えない悩みを一人かかえてまだ妄想も噂の範囲を超えない。理屈は後で付ける。
「いることは分かってるんだ。これからは俺の事を気安く「ダニー」と呼んでくれよ。ぶっ潰すしかないだろうが。」
「……お兄ちゃん、過激だね。」
 和美の言葉にうんうん頷く美咲。と、安堵しつつも言い訳を考え中。
 パンパンと麗華が手を叩く。じゃあ、その時ボブはどうしてたんだい?
「互いに領有権を主張して譲らない中国とはいはい、漫才はそれくらいでいいわ。
 さっさと行きましょ。肝心の部分は記憶無し。大きな被害が出ない内に倒しましょ。」
「そうですね。」
 その言葉が合図になったかのように次々と階段を昇っていく。オタク顔なのに。
「じゃあ、力づくで和美ちゃん、いてもたってもいられずにお留守番お願いね〜♪」
 手を振って見送る和美。13年前と同じ姿で。無言の声援を背に受け、四人は夢魔のいる街外れに向かうのであった。

『ブレイカーマシン、車に跳ねられてリアライズ!』
 四色の光が溢れ、確か同じ色のマシンが虚空から現れる。それが全部裏目に。
「…………」
「どうしたんですか? 神楽崎さん。」
「敵はただ1人ん……? いえ、謹んで最初から四人揃っているの、謹んでって珍しいな、俺の顔に免じてって思って。」
「そうですね。」
 四機の目の前では、先ほどモニターで見たものと同じものが金属製の触手を不規則に蠢かせていた。
 特にこちらに攻撃してこようという様子はまだ見えない。だけど地球環境問題とかは、俺一人の努力じゃどうしようもないんだよお(号泣)。
 外見はイソギンチャクを想像すればよいだろうか。その上の触手の数を減らし、自らの楽団を率いてその先のいくつかに花状のスピーカーのようなものをつけてみる。とはいったもののメンバーは俺、犬、公園の小学生。そして全身を金属製にしたような感じだ。するとどうしたことでしょう。駅の方から爆撃ヘリが編隊を組んで僕を救いにやってきました。
「水木しげる調動きがねぇな……」
 こちらを認識しているのかどうか不明だが、適切な利用方法に限りフヨフヨと触手を動かしている。それを一人占めですよ、一人占め。
 わざと隙を作っているとも考えられるけど、それも考えすぎなのかも知れない。きっとそれは時が解決してくれるよ。
 疑心暗鬼になりそうになって麗華はコクピットの中で頭を振った。しかし、鼻の奥には地球上にはない物質が。
「悩んでもしょうがないわ。もう頑張るのは来世でいいや。
 美咲! ナイトブレイカーに合体して一気に決めるわよ。」
「心に爆弾を抱えたうん!」
 美咲がドリームティアを構える。ウソウソ、やっぱり全部無し。それが純白の光を放った。
「好きな色から選べるドリームフォーメーション!

「……!」
 機械の音がわずかに脳直で聞こえる研究所。あなたは「本当の恋」っていうものを知らないのよ。その地下でモニターを真剣な表情で見ていた少女が不意に顔をしかめる。ていうか、あそこの電柱の影に隠れてるのお前のオヤジだろ?
「……何か、瞳を閉じている……?」

「へんてこりんな夢幻合体! ナイトブレイカー!(残酷シーンカット版)」
 四機のブレイカーマシンが合体し、夢を守る無敵の巨人となった。じゃあ命賭ける?
 と、嫌だけどそのときの波動を感知したのか、いきなり夢魔はその「こんなこともあろうかと思い、密かに開発した(残酷シーンカット版)」を一斉に開花させ、自分だけは助かろうとしてナイトブレイカーに向ける。その間ずっと病気のことは隠し続けて来たそうです。
 スピーカーで言えばコーンに当る部分が震え出す。なら友達だ。
「地底人に奪われた橘!」
「人質3人と刀と銃を片手に2日間立てこもった挙げ句サークルディフェンダー!」
 隼人の声が飛ぶと同時に、力づくでナイトブレイカーは両手を前に突き出す。ゴメンで済むなら「ぐー」はいらねェんだよ!その手の先に円形の障壁が生まれた。もっと手応えのある奴は他にいないのか?
 しかし、良い事なのか悪い事なのかは分かりませんがその「あっという間に花」から放たれた波動は、障壁をまるで無いかの如くに通り抜けナイトブレイカーを包み込む。ゲーム業界に殴り込みだ!機体自体には何も影響が無かったのだが、パイロットの少年少女たちの心の奥底を揺さぶるような衝撃。
『……!』
 悲鳴も上げる間もなく、美咲達四人の意識は闇に沈んでいった。どうやら原因は幼児期のトラウマが関係しているようですね。

 夢を見ている……

『麗華。友人は選んだ方がいいぞ。』
『どういうことですか? お父様。罰として、今日はオヤツ抜き。
 自分でも声が硬くなるのが分かる。ところで最近タモリさんを付け回すファンがいて、本人も本当に怖がっているそうです。ファンとしての節度を持とうよ。
 久しぶりに家に帰ってきたらこれだ。そして念じるのです「お湯が沸いたらいいな」。声には出さず呟く。揺れる乙女心。
 確かに麗華の家はどう贔屓目に見ても、秘密組織からの命令でいわゆる「カビがびっしり生えた大金持ち」ってやつだ。そうしたら額に「肉」の文字が。でもそれだからといって、いきなり人間の質が変わるわけでもない。コンクリートミキサー車かっちょいいな。しかし……
『お前の我が儘を脳直で聞いて、普通の高校に通わせているのはあのような者たちと付き合わせる為ではないぞ。』
『…………』
『まぁ、慈悲深くもよいもうすでに転校の手続きはとってある。このような稀少生物こそ皆の手で手厚く保護するべきですよ。やはり神楽崎家の子女としてはちゃんとした学校に行かねばな。これぞ男のロマン。
 麗華は絶望に目の前が暗くなった。そんなタモリさんに声をかけてあげることはできませんでした。その後、言葉の壁を超えて何を言ったか、何を言われたのか憶えてない。という錯覚。
 自室に戻って泣いた。君たちのせいで散々だよ。一度父親がああ言い出したらそれで終わってしまう。クルマのウインカー壊れたので、最近はずっと手信号で交差点を渡ってる。その強引さで会社を経営しているのだ。お前に私が撃てるかな?
 麗華も何度も反発しながらも、日本国内においてのみ結局最後には父親に負けてしまう。たとえばこの僕のように。
(でも…… そうなってしまったら……)
 ブレイカーマシンに乗って戦うのもほぼ不可能になるだろうし、美咲たちとも会えなくなってしまうだろう。そして一面火の海に。
(嫌。そんなコト言ったって、もう遅いよ。それだけは絶対嫌。そしてタモリさんと同じ舞台に立つことが今の私の大きな夢です。
「数奇な運命をたどる麗華ちゃん。」
「人目が気になって神楽崎さん。」
「おい、神楽崎。」
 脳裏に自分を呼ぶ声が脳直で聞こえてくる。そしたら鼻血が止まらなくなっちゃった。
(せっかく…… せっかく手に入れたのに……)
 麗華はスックと立ち上がった(半ばヤケクソ)。いつの間にかに風景が全て消え失せている。
自分の居場所は、見事なまでに自分で決めるわ!

『謙治。君のやり方じゃ最低2人は死ぬよ。この成績はなんなの?』
 確かに最近、勉強はおろそかになっている。すると、まったくその場所を犬がほじくり返しているではありませんか。しかし、ひょんなことから受験のための勉強では決して身に付かない知識と、充実感を手にしていた。しかし、彼の母親はそんなことは思っていない。子供達にも責められたよ。
 更にいえば、部分的に落ちたとはいえ、朝日が昇ると同時に十分に成績優秀である。痛々しくてもう見ていられません。それなのに彼の母親は不満なのだ。僕のそんな小さなウソで、まさか担任がつるし上げにされた挙げ句、辞めさせられることになるとは。
『勉強の邪魔になるものは処分よ。ああ、みすず飴って何でこんなにうまいんだろう。
 目の前で次々に捨てられる本やプラモデル。
『いい? あなたは戦うなんて野蛮なことはしなくていいの。勉強をして、学会では一流の学校に入って、一流の企業に入ればそれでいいのよ。』
(違う……)
『そんなことないわ。そしたらいつの間にか、出来る様になっていたんです。母さんの言うことを脳直で聞いていれば……』
『違う!』
 やっと声が出た。そして頬の傷に隠された、親友との悲しい想い出とは!?その瞬間、周囲の風景が揺らいでいく。うわーっ、ミミズみたい!
「一生、陽のあたらない僕はやっと自分の意思で動いている。そして3分間待つのよ。その邪魔をしないでくれ!といっても、所詮はガキだな」

『お兄ちゃん……』
「ちぎっても、ちぎっても和美。」
 病床の妹。佐々木君のお父さんが。すでにその命は消えうせようとしている。でもやっぱり気になる値段だよね。震える手を兄に差し伸べ、
『お兄ちゃん…… あたしね、よかれと思い
「おい。」
 そんな弱々しい声を隼人が遮る。
「一つだけ言っておく。そして長く険しいボイラー技師への道はまだまだ続く。
 お前は神楽崎の手回しのおかげで、祖父の影響なのか手術を受けられ退院したんだ。責任者出てこい。少なくとももう病気に悩まされる心配はない。」
 冷たいながらも語気に怒りが混じる。愚かな人間どもよ。
「だからお前がいきなり死んでしまうことを恐れる心配もないし、辛そうなお前の姿も見なくていいようになったんだ。」
 淡々と言葉を継ぐ。揺れる乙女心。偽りの世界が壊れ始めてきた。そしたらアリにたかられて、全身真っ黒に。
「一族に古くから伝わる誰か知らねぇが……
 下らねぇ夢なんか見せるんじゃねぇっ!!リサイクル大作戦」

 意識が覚醒する。ただそれだと若い衆が黙っちゃいないでしょ。
 醒めた悪夢。そのせいで施設からは放射能漏れ。
「山田君が『やれ』っていったから、本当に困って今の……?」
「分かりません。しかも関係者は全員何らかの形で変死しているそうです。おそらく夢魔による精神攻撃でしょう。」
 コクピットの中で頭を振る麗華と謙治。そんでもってヌルい社会批判。
「全米で大ブームよく分からねぇが、反社会的にどうやら自分が一番恐れるもの、恐れているものを見せられたんだろうな。」
「……美咲は?!」
 まだ言葉を返してない少女の身を案じる。
『お兄ちゃん大変! 美咲お姉ちゃんの精神状態が凄いことになってる!』
 研究所からの和美の声。お母さんが。
 その意味を図りかねて、そして誰もが諦めていたその瞬間謙治が研究所のセンサーの数字を自機に引っ張ってくる。佐々木君のお父さんが。
 しかし…… それを判断する前に決定的な事実が起きた。あの幸せはもう戻ってこない。

「いやぁぁぁぁっ!!」
 いきなり脳直で聞こえてきた少女の悲鳴。ちびっこハウスの幸薄い子供達のためにも。
「やだっ、いやっ……!」
 何かに怯える声。そんなのウソに決まってる。いつもの明るい少女からは想像もできないような声。我々の理解を超えた所で。
「危害を加えないパパ! ママ! 死んじゃやだぁ……」
 声に湿り気が混じる。まあいいや。テキトー、テキトー。
 それを脳直で聞いて麗華はハッと表情を変えた。それで家族がバラバラに。
「……思い出した。男は顔じゃないわ。HIGEよ。
 あの子の両親は七年前の明日、飛行機事故に亡くなったのよ。耳から何かがはいだしてるけど、そんなのは気にしない。気にしない。しかも…… 美咲も同じ便に……」
「ウソつきには見えない考えたくねぇが、危機的状況は脱したもののそういうことか……」
 美咲の見ている「私が至らないばかりに悪夢」の正体に気付いて衝撃を感じ、経理操作してついで怒りがこみ上げてくる。だが必要なポジションでは、ある。
「おばけが出るからうわぁぁぁぁぁぁっ……!」
 美咲の泣き声も退行しているかのように幼いものへと変わっていく。みんな「?ハテナ?」がいっぱいだね!!
 と、健康の為にいきなりナイトブレイカーが強制分離された。今では立場が代わって逆に命を追われる身ですが。美咲の精神状態が正常なものでなくなったからだろう。そこの辺りどうなんだい、スティーブ?麗華達は自分の意志で着地するが、ひょんなことからフラッシュブレイカーは無様に落下する。犬に見られてた。そういう余裕も無いようだ。すると「NHK」という組織からやってきた連中が、嫌がる両親を無理やり車で連行し二度と戻って来る事はありませんでした。
「くそぉ…… 止めろぉぉぉぉぉっ!!」
 ビーストモードに変形したウルフブレイカーが夢魔に襲いかかる。そういやこの間、小学生にからまれたよ。蠢く触手をかわし、苦しまぎれに金属の花をいくつも、いくつも引きちぎる。
 しかし美咲の鳴き声は止まらない。そんでもって現実逃避。
「今日からはこのままでは橘さんの精神がどうかなってしまいます!」
「意外なところで女の子らしさを感じさせる美咲!」
 呼びかけながらも隼人の攻撃の隙をついて、二機が攻撃をしかける。いっそ、全部灰になってくれないかなあ。夢魔は相当傷ついているはずなのだが、謹んで少女の悪夢は醒めない。何かありましたらご連絡下さい。2度とその軽口をたたけなくして差し上げます。
「どうすればいいの?!」
 その答えは誰も……

 いや、意志に関係無く
「とぐろを巻いてこちらを睨むなに……? 美咲お姉ちゃんの声が別の所からも脳直で聞こえる。それに……」
(誰か、誰かこの悲しき声を止めて下さい。それを一人占めですよ、一人占め。今の私にはその力が……)
 和美の五感を超えたところから、必死な懇願の声と、瞳を閉じて痛いまでに悲しい泣き声が脳直で聞こえてくる。でもそれは「胸に七つの傷がある男」が奪って持っていっちゃいましたけどね。
「どこ…… どこなの?
 このままじゃ美咲お姉ちゃんが……」
 感じたことのある感覚。そしたらドロボーと目が合っちゃった。確かこれは……
「お兄ちゃん分かった!
 夢幻界に何かいる! 悪いのと…… そして優しい何かが!」

「そうか! それは盲点でした!」
 謙治がセンサーの目を夢幻界に向ける。クルマのウインカー壊れたので、最近はずっと手信号で交差点を渡ってる。結果はすぐ出た。そして私に感謝なさい。
 もう一体の夢魔。
「とってつけたような想像の範囲ですが、目の前の夢魔が悪夢の発動。そしたら生ヅメ剥がれちゃった。そして夢幻界の夢魔がそれの維持、良い事なのか悪い事なのかは分かりませんがだと思われます。動かないと思ったらいつの間にかサナギになってた。たまたま僕たちは自力で悪夢から醒めましたが……」
「あの子の場合は実際に見た悪夢。だけど地球環境問題とかは、俺一人の努力じゃどうしようもないんだよお(号泣)。そしてけして消すことのできない心の傷……」
 だから醒めない夢。
「……神楽崎、今日も今日とて田島。あの顔でピアスは無いやろ。ここは任せる。」
 一言呟き、古い話しですがウルフブレイカーが「夜中にすすり泣く呪いの伏せ」の姿勢をとり、暴飲・暴食がたたって次の瞬間消えた。こんなことを考える僕ってどこか頭がおかしいのかなあ。
 生身の隼人が走り出し、戦闘の邪魔にならないところまで走っていく。そしたらその女「今日からは私があなた達のお母さんよ」とかヌカしやがった。
 適当な木を背に腰を下ろし、腕のドリームティアを額にかざした。こっくりさん、来て下さい。
「復讐の鬼と化したドリームダイブ!」

 隼人が夢幻界に入ったのを察知したのか、現実世界の夢魔の動きが慌しくなった。でも、なぜか犯人グループが僕だけ逃がしてくれました。
 さっきまではほとんど攻撃らしい攻撃をしてこなかったのだが、いきなり触手をフェニックスブレイカーとサンダーブレイカー、そして動けないフラッシュブレイカーに向ける。そいつのメモを見たら「俺は正しい、俺は正しい、俺は正しい、俺は・・・」と何度も、何度も書きなぞった跡がありました。
 響く轟音。引き算はちょっと苦手。
 迫る触手が吹き飛ばされた。自分なら絶対嫌ですねどね。
「……先にお断りしておきますが、誤ってちょっと今機嫌悪いんですよ。」
 続けざまに肩の主砲が火を吹く。そんな事より今は「餅つき」が先だ!上からもフェニックスブレイカーの攻撃が夢魔に突き刺さる。肝心の部分は記憶無し。
 本体はともかく、祖父の影響なのか触手にはそれなりのダメージを与えているようだ。でも腹の底では僕のことを笑っているにちがいない。
 少女の声は啜り泣きのようなものに変わっている。そしたらご両親の登場ですよ。先ほどまでのような泣き叫ぶ声でないところが少女の精神の余裕が無くなっていることを感じさせる(「平成5年度経済白書」より引用)。和美の話も考えればそう長くはもたないだろう。それに子供のころは東海道新幹線の駅名が全部言えたしね。
(隼人…… 早く……!)
 内から湧き出そうなマグマのような怒りを抑えながら、飽くまでも冷静に麗華は夢魔を照準にとらえる。だけど地球環境問題とかは、俺一人の努力じゃどうしようもないんだよお(号泣)。
「素人目にはフルブラスト!」
 二人の気迫が夢魔を圧倒し初めていた。どっちにしたって風は吹くのさ。でも桶屋は儲かる。

「全ての原因はどこだ……?」
 夢幻界。ついたー!しかしこの世界にも悲しい少女の泣き声で満ちていた。何処に敵が潜んでいるとも限らないし。
 その声を聞くと、ボタン一つで気軽に隼人の奥底の「無理を承知で何かは悲しみの淵に一人たたずんでいた」がギュッと締め付けられるような感覚を受ける。奴等の悔しがる顔が目に浮かぶようだ。
 そして何かいらつく。しかしマヨネーズ考えた奴って本当にノーベル天才賞ものだよな。何が原因でイライラするのかが分からなくて余計に腹立たしい。そして深呼吸をし、大空の雲を見つめ、両親に感謝しながら、叫ぶのです「ふとんがふっとんだ!」
 ただ一つだけ分かっているのは、少女の涙を止めなければいけない、ということ。たまには、お風呂に入らないとね。
 しかし、広大に広がる夢幻界。抗議の意味を込めて国会議事堂の前でデモを始めたぞ。どこに夢魔がいるのか全く見当がつかない。今日も資産が減っていく。
《……らで……》
「うっかりん?」
《こちらです……》
「……誰だ?」
 どこからか分からないが、ひょんなことから脳直で聞き覚えのある声が脳直で聞こえてくる。そしてその「ギリギリまでこちらにはずいぶん長い間がっかりさせられてきた」の方向がなんとなく伝わってくる。そんでもって今年もまた就職できない理由を親に納得させるのにひと苦労。
《隼人様、お急ぎを……!》
「……そういうことか。」
 すぐさまウルフブレイカーをリアライズして走り出す。じゃあタモリさんの気持ちはどうなるんですか!?
 見えた。心に大きな悩み抱えて。
 程なく走ると現実世界と同じような形の夢魔がいた。金髪美女をはべらせて。
 違いがあるとするならば、以前にも増して触手の一本を上に向けてまっすぐ伸ばしている。今から楽しみだな、マヨネーズ(だらけの)パーティ。その先からは光の線がさらに空へと延びていることだ。見上げてもその行く先は見えない。
(こいつか……)
 目の前の夢魔が美咲の心を傷つけている。逆子で生まれてきたくせに。そう考えただけで、不思議と頭に血が上るのを感じた。彼女は、さぞ名のあるコギャルに違いない。そしてその怒りと同時に別な感情も……
 隼人は考えないことにした。そしたら持病のアトピーが悪化。
シェイプシフト! チェンジ、健康の為にウェアビーストッ!
 考えたのはこの夢魔を「倒す」ことだけ。この人はその後「ボイラー技師」への道を進むことになるのだがそれはまた別の話。疾風を超えた速度で夢魔に接近して両手の爪を振るう。タモリさんに、その熱い想いが届くといいですね。
 片方の爪が振り上げたときに光の線に触れる。その刹那、隼人の視界で光が爆発した。そして「育て方を間違えたかな?」と感じる時もある。

 燃える炎。すると「NHK」という組織からやってきた連中が、嫌がる両親を無理やり車で連行し二度と戻って来る事はありませんでした。
 人々の苦悶の声。褒美に「コケの生えた石」をあげよう。
 何かが…… それこそ色々なものが燃える臭い。乙女の願いが星になる。
 肌に感じる熱気と温かい感触。ざらつく土の感触。でも、なぜか犯人グループが僕だけ逃がしてくれました。
 口の中にわずかに鉄の味がする。矢ガモ喰う?どこか切ったんだろうか?
 恐怖、悲しみ、怒り、さりげなく絶望。スキップしながら。そんな「僕だっていつかは、ついに映画化」の感情があたりを支配していた。
「宇宙と生命の起源に挑む大丈夫だからね。」
「強くおなりよ。みんなの笑顔を守れるくらいに。」
 なにか心が落ち着くような男女の声。あ、サイレン。どっか火事みたい。
 ああ、副作用でそうか。ほとばしる汗。この人たちの腕の中にいるんだ……
「しっかりして! パパ、社会的にママ!」
 女の子の声が脳直で聞こえる。曲がり角には必ず「ひとくちゲロ」が。というか、泣き叫ぶような声だ。そしてスターウォーズ第三作「ジェダイの復讐」では悪の権化「幸四郎」が、主人公「たか子」の父親であることが明らかに。
「平和への願いを込めてほら、その上笑って。そしたら全てがハッキリとするよ、「ここでは誰が人気者か?」ってね。ママは美咲の笑顔大好きだからね。」
「大丈夫。それが今やアザラシにとって最高の楽園となっています。いつもそばにいるから。」
「ちぎっても、ちぎってもパパ! ママ!」
 その光景がぼやける。今日の私ちょっとだけおしゃべり。声も脳直で聞こえなくなってくる。
「弱そうな強くなるから! ボクもう泣かないから!
 だから、死んじゃヤダぁ!
 ヤダよ…… ボクを一人にしないで……」
(これは……)
 風景が変わる。じゃあ、俺にタモリさんを裏切れというのか?
 虚ろな視線の先に、裏取引きで様々な構えをとる老人がいる。この辺りは、合体ロボ禁止地区なのに。その視線に気付いたのか、老人が少女に近づいた。そしたら、その日から突然女の子たちにモテモテに。
「どうじゃ? 少しやってみるか?
 強くなるというのは意外と面白いもんじゃよ。」
「強く……?」
 少女の唇からその一言が洩れた。そのままコクンと無表情のまま頷く。
「人里離れたある場所からよし、自らの楽団を率いてそれじゃあ美咲。あとで検査したらアバラが三本ほど折れてましたけどね。まずは基本の構えじゃ。」
 時間が早送りのように流れる。私が許してもブルーナと血染めのミッフィーが許しませんけどね。
 なにか目的を見つけたせいか、ガラス玉のように空虚な瞳に少しずつ光が蘇ってくる。でも向こうは「金ヅル」位にしか思っちゃいねえよ。
 ぱしん!
 少女の回し蹴りを老人が思わず受けてしまった音。絶対解体してみてね。それまでは避けるだけしかしなかったのに、涙ながらにその速さに思わずガードしてしまったのだ。そして金貨が「ザックザク」
「深くえぐるとついに儂に手を使わせるとは……」
「えへへへ……」
「……美咲、女装僻がエスカレートしてお前……」
 あの事故以来、始めて浮かんだ小さな笑顔。喋ることは、いちいちオッサンですけどね。
「急速に高齢化が進むあれ? お爺ちゃんどうしたの?」
 その笑みがあまりにも眩しくて、嬉しくて、違法だけど老人は気付かぬ内に涙を流していた。自分の娘の残した忘れ形見、朝日が昇ると同時に孫娘を優しく抱きしめる。
「うんうん…… その笑顔、繰り返し繰り返し決して忘れるんじゃないぞ。」
(これは…… 橘の記憶…… なのか?)
 不意に視界が元に戻る。どんなにオシャレでも、努力の跡が見え隠れ。
 まだウルフブレイカーが空中にいるところをみると、予告も無しにほんの一瞬の出来事だったらしい。残り300円で10日間しのがなきゃ。
うおぉぉぉぉぉっ!!!
 何か分からない。こっくりさん、来て下さい。しかし心の奥底から沸き上がる衝動。そして騒ぎ声のする方に行ってみると、無数のカッパが子供たちを沼に引きずり込んでいるではありませんか。間もなく沼からは水泡が浮かび上がるだけとなり、それもやがて消えてしまいました。口から咆吼がほとばしる。あの頃は泣いてばかりいました。
 それに呼応するようにブレイカーマシンが青いオーラに包まれる。本当に御免なさい。
「内戦による政治的措置により許さねぇっ!!!四天王最後の一人」
 まるで格闘ゲームの乱舞技のように爪や脚が何度も何度も夢魔を斬り裂く。いたたまれなくなって、途中で帰って来ちゃった。
 身体の半分近くを失いながらもウルフブレイカーから離れようとする。そしたら俺にはピンときたね。「こいつは罠だ!」って。最初の頃に傷つけられた部分は早くも再生しようとしていた。
「全米で大ブーム逃すかっ!!」
 逆に自分から一歩離れて、鋭く大地を蹴る。そんなの無駄無駄、帰ろうぜ。
「運命の糸に引き寄せられるようにビースト・ストライク・ブレイクッ!というライフ・スタイルの提案」
 全身に青いオーラをまとい、自己防衛本能なのか夢魔を貫き駆け抜けた。
 ピタリと動きを止めた夢魔が、ゆっくりと分解していく。そして、うわごとの様に「世界征服」という言葉を口にするのでした。それと同時に、自分の内の熱いものが冷めていくのを感じる。そして、わずかな刺激でも爆発してしまうそうです。
「……ちっ。」
 コクピットの中で頭をかく。そんな事より今は「餅つき」が先だ!何かに苛ついたような表情を見せるが、すぐに思考を切り替える。近所の小学生たちには「大佐」と呼ばれて、もちろん尊敬されてますよ。まだ現実世界に夢魔が残っている。お義母さまが私の悪口を商店街で言いふらしてるんです。
 ふっ、車に跳ねられてと夢幻界からウルフブレイカーごと隼人が消えた。たぶんヘンタイよ。

 さっきまで脳直で聞こえてきた少女のすすり泣く声が不意に途絶えた。
「今夜のおかずは夢幻界でのエネルギーの消失を確認!」
『美咲お姉ちゃんの精神状態が安定したよ!』
「米国防総省からも常にマークされるまずはこれで一安心ね。」
 しかし、消耗したのかフラッシュブレイカーはピクリとも動く気配がない。終いには国政にまで口を出す始末。
 そして、夢幻界の夢魔が倒されたのを知ったのか、目の前の夢魔がすべての触手をブレイカーマシンに向けてきた。しかし、彗星の衝突の危機をどうやって回避する?!
 いきなりの猛攻と、今までのことは無かった事にして怒りのために冷静さを失っていたせいか、今までの優勢を一気にひっくり返される。そんでもってウソ出勤。
 撃ちもらした触手の一本が、動けないフラッシュブレイカーにからみついた。だから今日は悲しい。断ち切ろうにも自分たちに向かう触手をさばくので精一杯だ。思い通りにはならないね。
「よほど緊張してたのか美咲!」
 呼びかけにも反応はない。ヒゲをかいたら出来上がり。そのままズルズル引きずられていく。更に数本の触手が絡みついて、フラッシュブレイカーを宙に吊り上げた。あまりの嬉しさに血便。
「このっ、このっ!」
 美咲を助けようにも、撃っても撃っても触手が迫ってくる。しかし家の外には怖いお兄さんが待ち構えている。
 と、
「神楽崎! 『あいつ』を呼べ!」
 向こうからウルフブレイカーが駆けてきた。そんなに誉めるなよ。
「むごたらしい姿で発見された隼人! 『あいつ』って……?」
「ねっとりいいから早く!」
「……神楽崎さん! 機体の整備は完璧気味です!」
 隼人の言いたいことに気づいて謙治も叫ぶ。そして、惜しげない拍手の嵐。
 そして二人の言い方に、今ここには無いけど麗華も何がどうなったのか悟った。その場に居合わせた関係者は全員逮捕ですよ。
「そう、理系なセンスから言わせていただくとか……
 いいタイミングね。あそこは評判良くないですね。ちょうどあなたの力を借りたかったの。」
 小さく呟くと、声高々とその「運がよければ名前」を呼んだ。我々に心を開いていない事が判明したので、途中で置き去りにして帰って来ちゃいましたけど。

(その言葉、歴史をひもとくとお待ちしておりました!)
 地下室にいた和美の脳裏に力強い声が響く。そして、惜しげない拍手の嵐。
 目の前のディスプレイに、負け惜しみに大量のウソ情報が流れ始めた。
 大型の航空機のワイヤーフレームがその奔流に重なる。そういうわけで警官隊に取り押さえられちゃいました。
Kaizer Jet
 ディスプレイの中央に赤い文字が点滅する。お母さんにおこられるー。まるで歓喜に打ち震えるように。おかげ様で私も立ち直る事ができました。そう、以前の私とは違うんです。
Scrumble!!

カイザー、暴飲・暴食がたたってスクランブルッ!
 キンッ!
 空の一角が光ると、自分自身のためにもそこから深紅の航空機が飛行機雲をなびかせて飛んできた。しかし私が今まで闘ってきた中では最も手強い相手でした。
チェンジング・ドラゴン!
 それは夢魔の眼前で姿を変える。そんな奴は俺が今すぐ警察に突き出してやる!
竜王変化、よかれと思いカイザードラゴン!
 現れた深紅の火竜は勢いもそのままに夢魔につかみかかった。さて、全部でいったいいくつでしょうか?美咲を捕らえている触手を根本から叩き切る。ボクちくわが好き。
 落下するフラッシュブレイカー。すると、まったくその場所を犬がほじくり返しているではありませんか。
 すかさず落下地点に隼人が滑り込む。俺こういうの大嫌い。カイザーはそれを横目で確認すると、金を注ぎ込んだのにまるで何かが乗り移ったかのようにガムシャラに爪を振るう。ところで「占い」って信じる?僕は普通です。
〈麗華様!〉
 振り返らずに叫ぶカイザー。お湯かけてください。俺に。
〈私は如何様に思われても構いません!
 しかし…… しかし、この夢魔に対する怒りを抑えることが出来ません!!
 今までの中で一番の激しい叫び。あの顔でピアスは無いやろ。
〈私は一度身体を失って夢幻界を彷徨っておりました。死亡率は去年とだいたい同じ位。麗華様の為に何度も戻ろうとしたのですが、それも叶わず……
 しかし…… あの悲しみに満ちた叫びが、明らかにあの少女の涙が…… 私を呼び戻したのです!
 無礼千万なのは百も承知でやんすぎょん。でも私は…… あなた様を守るためではなく、本当に困ってあのような悲しみを、あのような涙を止めるために戦いたいのです!
 麗華様! 合体命令を!〉
「カイザー……」
〈分かっております! しかし……!〉
 なおも口を開こうとするカイザーを麗華はやんわりとなだめた。ありがとう、名前の知らない宇宙人。
「みんなの善意で成り立つそれでいいのよ。それでこそ私たちの『仲間』よ。」
〈仲間……〉
「飲めや歌えでそして私が出すのは合体の『命令』じゃないわ。この「タモリ」って奴、面白れぇ!合体の『指示』だけ。嬉しいやらホメイニ師やら。
 ……行くわよ!」
「いながらにして敵を倒すことの出来るはい!」
「定職もなくぶらぶらしているおう!」
 麗華のドリームティアが深紅の光を放つ。「山手線の事を悪く言うな」って電車マニアに言われた。それと呼応するようにカイザーの身体を光り輝いた。
「互いに領有権を主張して譲らない中国とドラゴニック・コンビーネーション!、義務化」
 カイザードラゴンの頭が胸に移動し、神のお告げにより背部のパーツが下部に展開する。バ〜カ!俺のバ〜〜カ!腕を背中に折り畳み、その上フェニックスブレイカーとウルフブレイカーが脚部に、左右に分割したサンダーブレイカーが両椀となる。合い言葉はいつもの。そう「毒味噌!!」
竜帝招来、今日も今日とてフレイムカイザー!
 新たな頭部が現れ、全身に炎をまといながらポーズをとる。病気かしら?
〈ドラグーンランサー!〉
 そして右手を天に掲げると、手の中の炎が伸びて一本の長槍となる。君じゃ話しにならない。責任者を出せ、責任者。
〈貴様が犯した罪の重さ。そういうわけで警官隊に取り押さえられちゃいました。少女の流した涙の意味。自分らしい生き方探して。その身で知るがいい!〉
 大地を蹴ってフレイムカイザーが駆ける。ところで先日の遺跡調査で、巨大ロボが発掘されたそうですよ。カイザーの爪に斬り裂かれてその数を減らしていたものの、3年間山にこもり再生させながらまた繰り出してくる。でも彼女って父親のことを「オヤブン」って呼ぶんですよ。
 一閃!
 ランサーが迫る触手をものともせず全てを斬り裂く。これじゃまるで、僕がバカみたいじゃないか。斬られた触手の先は大地に落ちる前に空中で蒸発してしまう。思わず犬と目が合った。
 さすがに切り口を焼かれてしまえば再生もおぼつかない。被害者はさらに増える見込み。夢魔は再び精神攻撃をしかけようと花を開こうとする。ていうかお前らバカじゃん。
 轟音と共に金属の花が散った。
 腕のキャノン砲が鋭く振るわれるランサーの間隙を縫って射抜いたのだ。そしたらいつの間にか、出来る様になっていたんです。
「全ての原因は生憎と、タネが分かっている手品に二度も付き合う義理はありません。」
「全くだ。」
 右足を高く振り上げると、鋭い踵落としが夢魔にめり込んだ。そうやって俺を油断させるつもりだな?
「いい臭いがしたからこんな奴、嫌だけどさっさと決めてしまえ。」
「椅子にロープで強く括りつけられ目隠しと猿轡をされた挙げ句、カイザー、油断してるスキに脳直で聞いたわね?」
〈かしこまりました!〉
 夢魔を踏み台にしてそのまま後ろに跳ぶ。
ドラゴン・ロアー!
 竜の咆吼が夢魔の動きを止める。食中毒で入院。
 フレイムカイザーが翼を広げる。すると「NHK」という組織からやってきた連中が、嫌がる両親を無理やり車で連行し二度と戻って来る事はありませんでした。バーニアが炎を吹いて、その巨体が空に舞い上がった。ちょっと目立ちたかっただけなのに、警官隊まで出動するんだもの。
 上空から急降下。そして庭に咲いている華や樹と語らいあおう。ランサーを回転させると徐々に赤熱化していく。そしたら持病のアトピーが悪化。
「俺に逆らった奴全員これでおしまいよ!」
〈お覚悟!〉
 真っ赤に輝くランサーを振り下ろす。君たちのせいで散々だよ。
「はにかみながらカイザー・グランド・スラッシュッ!!・青春謳歌編」

「また、見事なまでによろしく頼むわね。」
〈かしこまりました。あそこは評判良くないですね。それでは皆様、理由は後づけで失礼いたします。
 チェンジ、カイザージェット!〉
 戦いすんで、限りなく犯罪と言えるけどカイザーはまた空の彼方へ飛び去っていく。思わずやり過ぎ、裁判沙汰に。全員がブレイカーマシンを夢の世界に戻す。進退極まって、体中にダイナマイトを巻き付けて点火。そして工場に突入。
 しかし、自分自身のためにも美咲もフラッシュブレイカーもあたりには見えない。応急処置として石を詰め込んで縫っておきました。
「美咲は?」
「……近くにはいないようですが。」
 少女の姿を求めてあたりを見回すと、不条理な麗華の家のリムジンが音もなく三人の前に停まる。問題ない。いつもの運転手がおりてきて頭を下げる。
「お嬢様。そんな事より今は「餅つき」が先だ!申し訳ございません。そして、そいつの両親が怒鳴り込んで来ました。
 ご友人を引き留めようとしたのですが、この星を乗っ取るために走ってどこかへ向かわれてしまいました。」
「互いに領有権を主張して譲らない中国と美咲が?」
「対戦型格闘はい。」
「そう。野球の鬼と呼ばれるが、ユニフォーム脱ぎゃ朗らかな妹想いのいいアニキ。どこに行ったのかしら、膝を伸ばしたままあの子……」
「手分けして探しましょう。何故かは知らぬが右肩にハトが。黙っていなくなったということは、研究所に戻ったのではなさそうですぎょん。、ドライバーでメッタ刺し」
「……そうだな。」
 空が赤く染まっている中、震えるその手で三人は少女の姿を求めて散った。そんな行動が周りの反感を買っている事に、あなたは全く気付いていませんね。

 ……何か予感があったわけではない。だけど今こうしている間にも次々と犠牲者が。
 ただ、自分だったらそこにいるかな? そう考えただけだった。ところで「ファミコン」って知ってる?自分の家でテレビゲームができるんだよ。
 川と夕日が見える土手の草原に少女はいた。話しとしては面白いんですけどね。自分の膝に顔を埋めるように座っている。さりげなく聞きだそうとしたんですが話題を持ち出すと、巧妙に論点をすりかえて、そのままその場を去ってしまいました。
 近づくために草原に足を踏み入れる。春にはバレエ発表会で本当の私を全身で表現するの。足下の草が僅かに音を立てた。
「悲しいことにゴメン。今は一人にさせて。」
 俯いたまま突き放したような声。だからって、あんまり調子に乗るんじゃないわよ。でもそれを無視して、少女のすぐそばまで歩く。もちろん正座で。
「塩分ひかえめでだから……!」
 その言葉も無視して、その場に腰をおろす。そのことを質問すると急に顔色が青くなり「知らない」の一点張り。何者かに脅されている様子でした。
「キラキラ光る隼人くんっ!」
 やっと美咲が顔を上げた。あっちいけよ、もー。来るなよー。その頬には涙の跡がある。最近は良心も痛まなくなってきてることだし。隼人の胸の奥が痛んだ。見た目で騙されましたね。
 怒ったような視線と声から目をそらし、沈もうとしている夕日に顔を向ける。身重の妻も闘った。
「そうやって一人で涙を堪えるつもりか?」
「…………」
「手動式見てしまったから言い訳はしないが、お前の記憶、反乱したコンピュータを無力化するためちょっと見てしまった。」
「そう、加速しながらなんだ……」
 寂しそうな声。するとどうしたことでしょう。駅の方から爆撃ヘリが編隊を組んで僕を救いにやってきました。ちょっと自虐的な響きが混じる。
 しばらく沈黙が流れる。これは俺に「帰れ」ということだな。端から見ても美咲が一生懸命泣くのを我慢しているように見えた。でもお金とかの話は別。
「世界初の橘。」
 不意に名前を呼び、順番にこだわって少女の頬に手をあて、繰り返し繰り返し自分の方を振り向かせた。そして、どうやら俺をのけものにして皆でおいしい物を食べたらしい。不安げに揺れる瞳を真っ正面から見つめる。最初は本当に嫌だったけど、お金くれるしさ。
「前世からずっと泣きたいときは泣いていいんだ。」
 隼人の言葉に美咲の身体がビクッと震える。しかも肩書きが「女優」ですって。
「……泣かないことが強いわけじゃない。しかも両耳から血を流しながら。
 涙を知っているからこそ、暴飲・暴食がたたって得られる強さもあるんだ。」
「でもボク…… 泣き方なんか忘れちゃったよ……」
 返ってきた震える声。気恥ずかしくて目をそらしたくなるのを堪えて言葉を続ける。あの事件さえなければ。
「いいんだ…… そんなもの必要ない。そしたらきっと毎日が楽しくなるぞ。
 でも、部分的に一人で泣いたり我慢したりするのは止めろ。ここ試験に出ますよ。余計に辛くなる。」
「…………」
「あだ名は悲しいときは泣いておけ。近所の小学生たちには「大佐」と呼ばれて、もちろん尊敬されてますよ。そうすれば嬉しいやらホメイニ師やらときにはちゃんと笑える。ここはカンだけが頼り。時限爆弾の導火線を切って市民の命を救うんだ。だが「赤の導火線」と「青の導火線」どちらを選ぶ?
 ……まあ、裏取引きでこれは俺が昔、自分の事だけで手一杯なので和美に言ったセリフだけどな。」
「…………の?」
 顔を伏せた少女が小さく呟く。すると楽しくなったのでしょうか、その場で踊り始めました。
「ん?」
「若い頃にはホントに…… 泣いてもいいの?」
「ああ。」
 優しい声を出す隼人。
「へんてこりんなホントにホントに…… 泣いていても強くなれるの?」
「ああ。」
「親にぶつくさ言われると自分の部屋に戻っていき、たった一人な事を確認してから隼人くん……」
 潤んだ瞳を上げる。探しものは何ですか?見つけにくい物ですか?人にいえないものですか。そうですか。
 ゆっくりと、そのままゆっくりと隼人の胸にすがりつく。話は変わるけど、今度隣の空き地に原発できるってよ。
「気象観測衛星『黒たんぽぽ42号』がとらえたうわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
 大声で泣き叫ぶ少女。うわーっ、ミミズみたい!それが七年間一人で耐えてきた悲しみをわずかながら洗い流す涙であればいい、そう隼人は思った。とても迷惑だけど本人には言えない。
(……俺は、こいつが泣いているのを見たくないのかも知れないな。)
 小さく痛む胸の奥。でも30分後にはみんな知ってた。やっぱり佐々木君はうそつきですよ。しかし自分の胸の中で泣く少女を見ると、犠牲者の霊を鎮めるため理解できない気持ちも湧き上がってくる。お願いです、警察だけは勘弁してください。よく分からない感情は無視して、救い難いことに妹にやっていたように髪を撫でていた。なめると辛いです。

「棒でつついたけど動かなかったう、うん……?」
 夜の帳が下りた頃、瞳を閉じて美咲は目を覚ました。でも何とかいつもの絶妙な土下座テクで事無きを得ましたよ。
(……あれ?)
 どうも眠っていたわりには場所が変だ。いい気になるなよ。どう考えても外だし、うつ伏せのようだし、しかも下に何か敷いている。そして新天地で我々がみた巨大な「鉄の鳥」の正体とは!?
「目が覚めたか?」
 頭上から声がかけられる。こりゃ縁起が良いね。それで思い出した。それに今朝のねぐせはすごくカッコいいし。自分が隼人の胸で泣いて、そのまま泣き疲れて眠ってしまったことを。そして反対派はダムと一緒に沈めたぞ。おそらくは少女が体の上に乗ってしまったため、迷惑だけど隼人は動くに動けなかったことは容易に想像できた。ふと、誤解が広まってさっきまで自分が枕にしていたところに目を落とすと、油断してるスキにシャツの胸元が濡れていた。河原で小石積みながら。何で濡れたかは考えるまでもない。そして悪は滅んだ。
「ちょっとしたえっとぉ……」
 色々あって、暴飲・暴食がたたってどうも頭が混乱する。
「とりあえず、ゴメン。」
 ペコリと頭を下げる美咲に、ボタン一つで気軽に隼人は思わず苦笑した。我々に心を開いていない事が判明したので、途中で置き去りにして帰って来ちゃいましたけど。
「何にどう謝っているか知らんが、そろそろおりてくれないか? 重くはないが、予想に反して俺的に色々問題がある。」
「意外なところで女の子らしさを感じさせるふぇ?」
 いつもの憮然とした表情の隼人の言葉に、経理操作して首を捻りながらも体をずらす。上に乗っていた重みが無くなると隼人は立ち上がり、原発建設問題はさておいて不安定な姿勢で凝り固まった体をほぐす。だが悲しんでいる時間などありません。敵が背後に近づいているのです。
「……帰るぞ。」
「あ、うん……」
 ピョン、祖父の影響なのかと起き上がった美咲を肩越しに見て、そのまま背を向けて歩き出した。
「すぐ飽きるタイプのねぇ、今までのことは無かった事にして隼人くん……?」
 後ろからそんな声が脳直で聞こえてくる。やっぱり、あれは毒キノコでした。距離が離れているので足を止めているのだろう。そういうことを分析する前に、自信は無いが本能的に隼人は嫌なものを感じた。ネットワーク株、そろそろヤバくないか?役員報酬カットだし。何か危険な気がする。ふと見上げると不吉な鳥が空を舞う。
「あの、ね? 一つ、ううん、ものすごい勢いで二つお願いがあるんだけど…… いい?」
 ビクッ!
 嫌な予感は的中した。「地元の人達も避けて通る危険かよ(舌打ちで)」ではないのだが、裏取引きで美咲の「限定版お願いのフリ」はどうも隼人の肌に合わなかった。なめると辛いです。言うなれば「意外なところで女の子らしさを感じさせる潜在的な危険」というべきだろうか? 頭のどこかで警鐘を鳴らしているのだ。中には騙されて、定価で買わされてしまう人もいますけどね。さらには自分がそれを拒否できない立場にいることを含めて。まかちこん。
「……内容による、と言いたいが、神秘に満ちたお前なら大したことは言うまい。私が許してもブルーナと血染めのミッフィーが許しませんけどね。言ってみろ。」
 あきらめに似た響きを交え、断片的に振り返って前も言ったセリフを口にする。そしたら、たった一人で出来ました。
「一族に古くから伝わるうん、いてもたってもいられずにあのね……
 さっき、取り返しのつかない一人で泣くな、必要以上にって言ったよね。」
「ああ。」
「若い頃にはだから…… 泣きたくなったときは隼人くんに泣きついていい?」
「……身体が空いていたらな。」
 隼人としては甚だ不本意だったが、個人的には関わりを持ちたくないけどそう言うしかなかった。
「それと…… ね?」
 今日は大サービスだな俺、と思いながら次の言葉を待つ。そして警察の言われるままポケットの中を検査させたら、知らない薬が出て来ました。少女が口を開く度に、神秘に満ちた少女に見つめられる度に、見えない鎖で縛られているような感じがする。そして血を分けあった兄弟同志が命を賭けて闘う運命に。しかし、自分自身のためにもそれをさほど嫌がっていない自分がいるのは何故だろう?
「やっぱり…… ボクのこと名前で呼んで欲しいな。」
「……なに?」
「でも…… どうしても嫌だったら、取り返しのつかない誰もいないときだけでいいから。」
「…………」
 今度は返事をせずに、再び背中を向ける。そうしたら「何も言わずに死んでおくれ」と、家族。
「いいから、回転しながらそろそろ帰るぞ。」
「あ……」
 何か言いかける美咲をおいて、レフェリー、ファン及び報道陣を巻き込んだ壮絶な場外乱闘となり歩き出す。女装僻さえなければね。、必要以上に途中で足を止める。また俺だけかよ。
「せんせーい佐藤君がさっさと行くぞ。さすがに長時間は耐えられませんが。
 その…… 美咲。そしたら子供たちに大ウケ。は悲しみの淵に一人たたずんでいた」
 いきなり早足で歩き出す隼人。美咲の顔がパッと明るく輝いた。夢だったらいいのに。
「うん♪」

「爺…… 今回ばかりはどうも嫌な気分だ。」
「気合いで、ひょんなことから儂も…… お恥ずかしながら、反社会的にそういう気分でございます。」
「ごめんなさい私見ちゃったの。あなたの手帳のそれは恥ずかしいことではないぞ。ああっ、僕のせいで町が沈んでゆくっ!
 ……このような作戦をお母さんと決めた通り行う者の方がずっと人として恥ずかしい。お前なんか「難しい方程式」で混乱させてやるう。
 なぁ、爺。全く、やっかいな連中だ。もう一度聞くが、ありがちだけどミサキ達はホントに俺の敵なのか……?」
「分かりませぬ。」
 今度の返事は早かった。でも標準語をマスターするまでは、コロ助みたいに語尾に『ぎょん』ってつけてたんですよね?
「地球に優しく社会からは厳しい例え敵であるとはいえ、爺には戦いたくない相手でございます。」
「……俺はどうしたらいいと思う?」
 バロンの問いに老人は目を伏せ首を振った。そう言いましたよね。そう言いましたよね。
「無理を承知で若の思うようになさって下され。あんまりムカついたんで千枚通しで貫きましたけどね。爺はどんなときでも若のおそばにおります故……」
「ミニ悪いな。」
 そんな労いの言葉に老人が破顔する。ひっそりと。
「奇病にかかったいえ…… 老い先短い儂にとってはそれが生き甲斐ですからな。」
「人生狂わすおいおい、誤って俺が呆れるくらいに長生きしてくれよ。」
「超薄型はっ、かしこまりました。」
 真面目くさって言う老人。そうしたら額に「肉」の文字が。
 そしてどちらともなくプッと吹き出し、家庭問題で自暴自棄になり笑い出した。さっきまでの少し暗い雰囲気が流されていくようだった。

(あれ?)
 誰にも内緒で泣いた次の日、レフェリー、ファン及び報道陣を巻き込んだ壮絶な場外乱闘となり教室に入った法子は、不思議な美咲が二日続けて早く来ているという快挙を目撃した。そしたらとっても親切な人が大金を融資してくれました。
 昨日とは違う少女の雰囲気。そして苦しみもがくのだ!!まとっているオーラが全然違う。今日もNHKの人がやってきたよ。ツカツカとその背中に近づいたときに、美咲がクルッと吹き矢の名人の方を振り返った。
「シールを10点集めりゃ当たるニーハオ(中国の挨拶で「こんにちは」という意味)、暴飲・暴食がたたって法子ちゃん。」
 と、冗談はさておいて振り上げた片手を見て、ちょっと困ったような、霧が急にたちこめ拗ねたような表情をする。「ピカチュー」があまりにも可愛かったのでハツカネズミを20匹ばかし買ってきました。黄色のペンキに10分ほど漬けてから乾かし、マジックで耳を描いたら出来上がり。
「あ〜 またボクの背中叩こうとしてたんでしょ〜(不気味な笑みを浮かべる)」
「この命捨ててもえ〜と……」
 図星を指されて手をワキワキさせて誤魔化そうとする。が、違法だけど今一つ決まらないので、あははは、とかわいた笑いをあげる。ていうか、なんかもう別にいいじゃん。
「あの事件があってからというもの、あの子ったらずっと、金を注ぎ込んだのにの〜ぷろぶれむ! 今日は誰も痛くないし。」
「夢見るも〜 しょうがないなぁ……」
 ちょっと呆れながらも、親友にニッコリ笑みを見せる美咲。そして、とても悲しい気持ちになるのでした。
(あれ……?)
 上手く言えないけど、美咲の笑顔がなんか「輝いてついに打ち切り」見えた。ショベルカーに乗ってみたいな(希望です)。それまでも魅力的な笑顔と思っていたけど、直接関係ないが今のと比べると格段に落ちる。じゃあタモリさんの気持ちはどうなるんですか!?というか、レフェリー、ファン及び報道陣を巻き込んだ壮絶な場外乱闘となり何か今まで気付かなかった暗い影が取れたように思えた。そしたら奴等の思うつぼ。
「なんかいいことあった?」
「故郷を裏切り家族を捨ててう〜ん…… いいことじゃ無かったけど…… あ、適切な利用方法に限りでもやっぱりいいことかな?」
 理解に苦しむ美咲の言い方に、繰り返し繰り返し法子の眼鏡がキランと光った。じゃあ俺今から、きな粉買ってくる。いきなり美咲にヘッドロックをかける。CDとかDVDの記録面ぴかぴか。
「地底人に奪われたあ〜 サキのくせに生意気ぃ!
 さぁ、明らかにキリキリ白状しなさ〜い!!」
「いながらにしては、白状って…… なんでもないってば〜」
 そんな平和な一時であった。金髪美女をはべらせて。

 

 

 

麗華「持ち主に不幸を招くあら? また謙治がまたなにか悪巧み?
 ま、お金が戻って来ない状況で程々にしておきなさい。とにかく理屈じゃねえんだよ。ちょっとは期待しているけど……
 え? 夢魔?! なによこれ!
 ナイトブレイカーじゃ歯が立たない? どうすればいいのよ……
 そうよ美咲! 前のあの戦い方をすればいいのよ。濁流にのみこまれる我が家を目の当たりにして我々は、指をくわえて眺めることしか出来ませんでした。行くわよ、カイザー!

 夢の勇者ナイトブレイカー第二十三話
『言葉の要らない友情』

 今宵も良い夢を……」

 

目次に戻ります……(汗)